賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

シルクロード横断2006

シルクロード横断:第56回(最終回) イスタンブール

バスツアーを終えると、イスタンブールをプラプラ歩いた。 まずはターミナルのシルケジ駅に行く。列車の本数が少ないので、駅構内はトルコ最大の都市、人口1000万人を超えるイスタンブールのターミナル駅とは思えないほど閑散としている。トルコは世界で…

シルクロード横断:第55回目 イスタンブール

ボスポラス海峡探訪のあとは、バスツアーでイスタンブールをまわった。 まずは「アヤソフィア寺院」だ。「アヤ」とは「聖なる」の意味のギリシャ語。英語風にいえば「セントソフィア寺院」になる。 325年にローマ皇帝のコンスタンチヌスによって起工され…

シルクロード横断:第54回目 イスタンブール

イスタンブールの「セディホテル」の朝食を食べ終わると、急坂を下り、欧亜を分けるボスポラス海峡沿いの道を歩いた。 対岸の、まさに手の届くようなところにアジア側のウスクダルの町並みが広がっている。ちょうど関門海峡の下関側に立ち、門司側の町並みを…

シルクロード横断:第53回目 アンカラ→イスタンブール

2006年10月10日。この日はいつもより早い出発。まだ暗い5時前には起き、5時30分にはホテルの朝食を食べる。 我ら「シルクロード軍団」、最後の「目指せ、イスタンブール!」の掛け声をかけ、6時には走り出した。 スズキDR-Z400Sでアナ…

シルクロード横断:第52回目 カッパドキア→アンカラ

2006年10月9日8時、カッパドキアのネブシェヒルを出発。名残惜しいカッパドキア。キジルイルマック川を渡る。アナトリア高原最大のこの川は首都アンカラの東側から黒海へと流れ出る。キジルイルマック(赤い川)川は、その名前とは違って、スーッと…

シルクロード横断:第51回 カッパドキア

世界の奇景、カッパドキアに到着した翌日は、ネブシェヒルの「ユクセラーホテル」にバイクを置いて、我ら「シルクロード軍団」はバスツアーを楽しんだ。 エルジャス山の麓、標高1200メートルの高原地帯のァッパドキアは、太古からの火山活動と侵食作用に…

シルクロード横断:第50回 シバース→カッパドキア

シバースからカイセリへ。アナトリア高原もこのあたりになると、大分、高度を下げてくる。ベステペレール峠、ラレベリー峠と2つの峠を越えたが、ともに標高1350メートルの峠だった。 アナトリア高原は一面、枯草で黄色くなっている。羊の群れを追う牧童…

シルクロード横断:第49回 エルジンジャン→シバース

エルジンジャンからはE80→E88でシバースに向かった。 その途中では2つの2000メートル級の峠を越えた。最初の峠は標高2160メートルのサカルトゥタン峠。2番目の峠は標高2190メートルのキジルダッグ峠。 峠はトルコ語では「ゲジディ」にな…

シルクロード横断:第48回 エルズルム→エルジンジャン

エルズルムでは中心街にある「ディラベールホテル」に泊まった。翌朝、夜明けとともに町を歩く。快晴。だが、それほどの寒さではなかった。 町を歩きながら1990年の「世界一周」がしきりと思い出された。そのときは50㏄バイク、スズキ・ハスラーTS5…

シルクロード横断:第47回 ドーバヤジット→エルズルム

トルコ東部、イランとの国境に近いドーバヤジットでは、町の中心にある「ヌフホテル」に連泊したが、2日目も、展望レストランからはアララト山がきれいに見えた。雪をかぶったアララト山(5165m)を見ながら食べる朝食はなんとも優雅なものだった。 2…

シルクロード横断:第46回 ドーバヤジット

トルコ東部、イランとの国境に近いドーバヤジットでは、午前中は町中をプラプラ歩いた。楽しい町歩きだった。 町には活気があふれている。 魚屋には鮮魚が並んでいる。トルコでは魚がよく食べられる。八百屋の店先に並ぶトマトは色鮮やか。うまそうなトマト…

シルクロード横断:第45回 タブリーズ→ドーバヤジット

2006年10月2日午前6時、起きるとすぐに、タブリーズの町を歩く。夜明けのすがすがしい空気を吸いながらの町歩きは気持ちいい。 「タブリーズ・インターナショナル・ホテル」に戻ると朝食。ハニーとクリームを混ぜ、それをナンにつけて食べる。トロッ…

シルクロード横断:第44回 タブリーズ

トルコ国境に近いタブリーズはイラン第3の都市。古来より、シルクロードの要衝の地として栄えてきた。ここはアジアとヨーロッパを結ぶ交易路の宿場町として、きわめて重要な役割を果たしてきたのだ。 タブリーズの町の起源はサーサーン朝ペルシャ(224~…

シルクロード横断:第43回 アルダビール→タブリーズ

アゼルバイジャンとの国境に近いアルダビールでは中心街の「ダリアホテル」に泊まったが、翌朝は夜明けとともに町を歩いた。 この町の歴史は古く、13世紀末に誕生したイスラム教神秘主義教団「サファービー教団」発祥の地として知られている。 その生みの…

シルクロード横断:第42回:チャールース→アルダビール

チャールース郊外の「エンゲラブカザールホテル」に泊まったが、朝は起きるなり、カスピ海の砂浜を歩いた。水平線を眺め、小波の音を聞く。たまらない早朝の散歩だ。 ホテルでの朝食を食べ8時30分、出発。カスピ海沿岸の道を走る。 カスピ海の沿岸には町…

シルクロード横断:第41回 ゴルガーン→チャールース

カスピ海に近いゴルガーンでは町外れの「アジンホテル」に泊ったが、早朝の部屋からの眺めは良かった。ゆるやかな丘陵の裾野に広がる町並みを一望。カスピ海の沿岸地方を貫く「アジアハイウエー」の1号線、A1もよく見える。 朝食までの1時間ほど、ゴルガ…

シルクロード横断:第40回 ボジュヌルド→ゴルガーン

イラン北部のボジュヌルドでは「ツーリストイン」に泊まったが、翌朝は夜明けとともに起き、早朝の町を歩いた。 目抜き通りを歩き、さらに町外れまで足を延ばした。 前方にはエルブルーズ山脈の山々。目の前を黒衣の女性が歩いていく。その手には町中のナン…

シルクロード横断:第39回 アシハバード→ボジュヌルド

トルクメニスタンの首都、アシハバードでは「ニサホテル」に泊まった。 バイキングの朝食を食べ、8時30分に出発。「目指せ、イズタンブール! エイエイオー!」と、全員で声を掛け合い、走り出す。 「さー、行くぞ、DRよ!」 と、スズキDR-Z400…

シルクロード横断:第38回 アシハバード

トルクメニスタンの首都アシハバードに到着した翌日は、一日、町を歩きまわった。近代的なきれいな町並みだ。人口は50万人。イランとの国境のコペトダク山脈の山々が町のどこからでも見える。 町の中心には1948年10月6日に起きた大地震のモニュメン…

シルクロード横断:第37回 マルイ→アシハバード

早朝のすがすがしい空気の中、トルクメニスタンのマルイの町を歩く。道路はきれいに掃き清められ、ゴミひとつ落ちていない。「さすが独裁国家!」と、感心してしまう。通る車の数はきわめて少ない。広場には噴水。幾何学模様を描きながら、勢いよく水を噴き…

シルクロード横断:第36回 トルクメナバード→マルイ

ウズベキスタンから入ったトルクメニスタンは北朝鮮と同じような独裁国家。早朝のトルクメナバードの町を歩くと、終身大統領のサパルムラト・ニヤゾフの写真や銅像をあちらこちらで目にする。 トルクメニスタンのニヤゾフは北朝鮮の金正日のような存在。19…

シルクロード横断:第35回 サマルカンド→トルクメナバード

2006年9月21日9時30分、ウズベキスタンのサマルカンドを出発。 前夜は激しい下痢に見舞われ、けっこう辛い旅立ちとなった。中国の天津を出発して以来、初めての下痢。カソリの「鉄の胃袋」もダウン…といったところだ。下痢にやられながらも、街道…

シルクロード横断:第34回 サマルカンド

シルクロードの要衝、サマルカンドには1日、滞在した。 中国の西安からここまで6619キロを走った。そこで午前中はスズキDR-Z400Sの整備。オイル交換をし、エアークリーナーのエレメントを掃除したり、チェーン調整をしたり、砂漠の砂にやられて…

シルクロード横断:第33回 タシケント→サマルカンド

中央アジアの3ヵ国目、ウズベキスタンの首都タシケントを歩く。 さすが中央アジアの大都市だけあってトラム(市電)が走り、地下鉄が通っている。タシケントの地下鉄は中央アジアでは唯一のもの。人口は200万人を超える。 「シルクロード」から受ける印…

シルクロード横断:第32回 タラズ→タシケント

カザフスタンは旧ソ連の中央アジア5ヵ国の中でも、圧倒的に大きい。面積は272万平方キロで日本の7倍以上もの広さ。首都は北部のアスタナに移ったが、実質的な首都は中国&キルギス国境に近いアルマティで、それ以前の首都だった。中央アジアではウズベ…

シルクロード横断:第31回 ビシュケク→タラズ

キルギスの首都ビシュケク。早朝の町を歩く。さわやかな透き通る空気。朝日を浴びた天山山脈の雪山が目に残る。北緯43度の町で日本でいえば札幌といったところか。今回の「シルクロード横断」ルートでは、このあたりが一番、北になる。 ビシュケクの人口は…

シルクロード横断:第30回 イシククル湖→ビシュケク

2006年9月16日、夜中に激しい雷雨が降った。朝、起きるとすぐにイシククル湖まで行くと、雨は上がり、雲の間から天山山脈が見えている。湖に突き出た桟橋で釣りをしている人がいる。パン&バター、チーズ、オートミールの朝食を食べ、9時、出発。イ…

シルクロード横断:第29回 ナリン→イシククル湖

ナリンではキャンプ地の宿舎に泊まったが、朝はいつものように7時には起きる。新疆の7時というとまだ真っ暗だったが、中国とは2時間の時差のあるキルギスではすっかり明るくなっている。 朝食はパンとバター、チーズ、オムレツ(卵のみ)。全員で取り分け…

シルクロード横断:第28回 カシュガル→ナリン

2006年9月14日、いつものように7時に起き、シャワーを浴びたあと、まだ暗いカシュガルの町を歩く。ナンをつくって売るナン屋が暗いうちから店をあけている。町を歩いている途中で夜明け。早朝のすがすがしい空気を吸いながらさらにカシュガルを歩い…

シルクロード横断:第27回 カシュガル(その2)

2006年9月13日、この日は一日、カシュガル滞在。その1日をフルに使って、「シルクロード軍団」のメンバー、斉藤さん、石井さんと一緒にタクシーをチャーターし、パミール高原のカラクリ湖まで行くことにした。以前、行ったことのある斉藤さんから、…