シルクロード横断:第50回 シバース→カッパドキア
シバースからカイセリへ。アナトリア高原もこのあたりになると、大分、高度を下げてくる。ベステペレール峠、ラレベリー峠と2つの峠を越えたが、ともに標高1350メートルの峠だった。
アナトリア高原は一面、枯草で黄色くなっている。羊の群れを追う牧童の姿が見える。牧草地帯から農地になると、ビートの収穫の最中だった。
カイセリに近づくと、標高3916メートルのエルジャス山が見えてくる。富士山にも似た、万年雪をいだく山。カイセリはその裾野の町だ。古くからの交通の要衝の地で、中部アナトリアの中心地になっている。
歴史の古い町で、古代はマザキヤと呼ばれた。カエセリという地名は、ローマ時代にティベリウス皇帝がこの町の美しさに歓喜し、「カエセレ!」(皇帝カエサルの町)といったことに由来しているという。
ビザンチン帝国時代にはキリスト教の影響を強く受け、11世紀から13世紀にかけてのセルジュック・トルコ時代にカエセリは最も栄えた。
そんなカエセリから、アナトリア高原の中央部に広がる大奇岩地帯のカッパドキアに入っていった。
13世紀のシルクロードのキャラバンサライを見学し、アバノスの岩窟レストランでピラフと煮豆の昼
食を食べ、ネブシェヒルの「ユクセラーホテル」に泊まった。ここで連泊することになっている。
カッパドキアの奇岩は世界遺産にも登録されているが、そのエリアは広い範囲に渡り、エリア内にはネブシェヒルやアバノス、ギョレメ、ユルギュップの拠点となる町々が点在している。
「ユクセラーホテル」のレストランでピラフとチキンの夕食を食べると、我ら「ハマム同盟」はギョレメのハマムに行った。
そこでは信じられないようないい思いをした。何と混浴で、デンマークからやって来た北欧の女性たちと一緒になった。彼女らは体にバスタオルを巻きつけ、浴室の大理石に横たわっていた。すらっとの伸びた真っ白な足が目に焼きついて離れなかった。
アナトリア高原を行く
13世紀のキャラバンサライ
カッパドキアの奇岩地帯
ホテルの夕食