賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

シルクロード横断:第48回 エルズルム→エルジンジャン

 エルズルムでは中心街にある「ディラベールホテル」に泊まった。翌朝、夜明けとともに町を歩く。快晴。だが、それほどの寒さではなかった。

 町を歩きながら1990年の「世界一周」がしきりと思い出された。そのときは50㏄バイク、スズキ・ハスラーTS50での「世界一周」だった。今回とは逆のルートで、イスタンブールからイラン国境に向かったのだが、ここエルズルムが寒さのピークだった。今回とほとんど同じ時期だったが、気温は氷点下まで下がり、あまりの寒さに頭がズキズキ痛むほどだった。

 ホテルの朝食を食べ、8時、出発。いつものように、我ら「シルクロード軍団」は「目指せ、イスタンブール!」の掛け声をかけて走り出す。

 エルズルムからはE80を行く。イランのタブリーズからトルコ国境までは、アジア・ハイウエイのA01だった。それがトルコに入るとヨーロッパ・ハイウエイのEに変る。片側2車線の広々とした道。路肩も広い。

 やがてE80は峡谷に入っていく。大河、ユーフラテスの峡谷だ。

 エルズルム北東のカラ川とアララト山を源とするムラト川が合流してユーフラテス川になるが、トルコから南流してシリアに入り、南東流してイラクへ。下流メソポタミア平原でティグリス川と合流し、ペルシャ湾に流れ出る。全長2800キロ。西アジア第一の大河だ。トルコ、シリア、イラクと3国を流れる川なので、たびたび紛争の火種にもなっている。

 そんなユーフラテス川の峡谷を見ながらの昼食。チーズサンド&ポテト。トマトのまるかじりがうまかった。

 アスカルを通り、2000メートル級の峠を越える。

 テルカンを通り、周囲を3000メートル級の山々に囲まれたエルジンジャンの盆地に入っていく。盆地の中心地がエルジンジャン。

 エルズルムから192キロのエルジンジャンには14時に着いた。町の目抜き通りに面した「ギリシタンホテル」に泊まる。日暮れまでまだたっぷりと時間があるので目抜き通りを歩き、広場を歩いた。そのあと店でサッカーボールを買い、公園で久クンや慎吾クンを引っ張り込み、地元の少年たちと一緒にサッカーをした。けっこうムキになってゲームもしたのでクタクタ。

 町中のレストランでピラフ&チキンの夕食を食べたあとは、昨夜にひきつづいてのハマム。「ハマム同盟」の面々と一緒に蒸気風呂を楽しむ。アカスリをしてもらって、湯上りのチャイを飲んで。それで12リラ。日本円で1000円ほどだ。

5506、エルズルムの町並み

エルズルムの町並み

5507、4車線のE80

4車線のE80

5510、ユーフラテス川の峡谷

ユーフラテス川の峡谷

5517、エルジンジャンのバイクショップ

エルジンジャンのバイクショップ