賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

峠越え Crossing Ridges since 1975

カソリの峠越え(34) 中国編(17):江川の峠(パート2) (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1992年11月号 所収) 前回の「江川の峠(パート1)」では、広島県の三次を出発点にして中国地方最大の河川、江川本流の峠を越え、また三次に戻ってきた。 三次盆地の中心、三次はまさに「江川の町」といったところで、江川本流の…

カソリの峠越え(33) 中国編(16):江川の峠(パート1)

(『月刊オートバイ』1992年10月号 所収) 今回の「峠越え」の舞台は、中国地方最大の河川、江川(江の川)だ。この川はきわめて特異な流れで、中央分水嶺の中国山地を突き破り、瀬戸内海側から日本海に流れ出る。このような川は日本中を探しても、ほ…

カソリの峠越え(28) 中国編(11):因幡の峠(パート2) (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1993年9月号 所収) 鳥取県は昔の国名でいうと、東半分の因幡と西半分の伯耆の2つの国から成っている。そのうちの東半分、「因幡の峠」を越えようと、峠越えの相棒のスズキDJEBEL250を走らせて鳥取へ。東名→名神→中国道…

1,500峠、達成!(2003年8月12日) Achieved 1,500 Ridges!

1500峠を越えて! (『ツーリングGO!GO!』2003年11月号 所収) 「さー、1500峠だ!」 と、意気揚々とした気分で北海道に乗り込んだ。 1496峠を越えたところで、記念すべき1500峠目を北海道の峠で達成しようというのだ。 東京か…

1,000峠達成 (1994年11月6日) Achieved 1,000 Ridges!

雨の峠越えに出発 1994年11月6日は、1000峠達成記念の日。ところが夜中から雨が降りだし、朝起きると、ザーザー降りになっている。この雨のせいで、すっかり走ろうという気をなくしてしまう。ほんとうは夜明け前に出発するつもりでいたが、 「あ…

カソリの峠越え(27) 中国編(10):因幡の峠(パート1) (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1993年8月号 所収) 現在の鳥取県は昔の国名でいえば、因幡(いなば)と伯キ(ほうき)の2国が一緒になっている。鳥取県の東半分が因幡の国で、西半分が伯キの国ということになる。 鳥取市や鳥取砂丘のある方が因幡で、倉吉市や米…

カソリの峠越え(26) 中国編(9):山口の峠(パート3) (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1996年5月号 所収) 山口県の峠越え第3弾は、山陰の長門市を出発点にして、本州最西端の町、下関を終着点にした。その間では、山陰と山陽を分ける中央分水嶺の峠を次々に越えていった。本州最西端の中央分水嶺の峠も越えた。 これ…

カソリの峠越え(25) 中国編(8):山口の峠(パート2) (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1996年4月号 所収) 「山口の峠」の第2弾は、秋吉台周辺の峠。日本最大のカルスト台地、秋吉台は山口県内でも最高のツーリング・スポットだ。 台地に露出した石灰岩の岩柱(ラピエ)が無数、林立している風景は、 「おー!」 と、…

カソリの峠越え(24) 中国編(7):山口の峠(パート1) (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1996年3月号 所収) 「冬がなんだー!」 と、カソリ、気合を入れて、本州西端の山口県に向かった。 冬の峠越えだ。 県都、山口を出発点にし西へ、西へと峠を越えていき、山口の峠を総ナメにしてやった。 今回はその第1回目。山口…

カソリの峠越え(23) 中国編(6):山口・島根県境の峠 (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1995年2号 所収) 広島・山口・島根3県の県境にそびえる冠山(1339m)から西につづく山並みは、山口・島根の県境になっている。つまり、峠が県境なのだ。 山口から島根へ、島根から山口へ……と、ひとつづつ県境の峠を越えてい…

カソリの峠越え(22) 中国編(5):広島県西部の峠(パート2) (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1995年1月号 所収) 前回の「広島県西部の峠(パート1)」にひきつづいて、今回は、そのパート2だ。 前回は、中国自動車道を戸河内ICで降りた戸河内を出発点にし、広島・島根県境の峠を中心に峠越えをおこない、戸河内を終着点…

カソリの峠越え(21) 中国編(4):広島県西部の峠(パート1) (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1994年12月号 所収) 広島県西部の中国山地には恐羅漢山(1346m)とか冠山(1339m)といった標高1300メートル前後の山々が連なっている。 全体がなだらかな中国山地の中にあっては、このあたりは、目立って山並みが…

カソリの峠越え(20) 中国編(3):鳥取・島根県境の峠 (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1994年11月号 所収) 「京都→鳥取」の「山陰道の峠」、「鳥取→米子」の「鳥取の峠」にひきつづいての、山陰の峠越え第3弾は、「米子→松江」の「鳥取・島根県境の峠」だ。 鳥取県と島根県の境には中国山地から延びる山並みが、ゆ…

カソリの峠越え(19) 中国編(2):鳥取の峠 (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1994年10月号 所収) 前回は「京都→鳥取」の「山陰道の峠」だったが、それにひきつづいて今回では「鳥取→米子」の「鳥取の峠」をお伝えしよう。 鳥取県は昔の国名でいうと、東半分が因幡、西半分が伯耆になる。1993年8月号か…

カソリの峠越え(18) 中国編(1):山陰道の峠 (Ridges in Chuugoku Region)

(『月刊オートバイ』1994年9月号 所収) 1994年の3月中旬に伊豆の林道で転倒し、右肩の鎖骨を折った…。その後、初めて旅立った峠越えだ。 また、オートバイに乗れるようになって、ほんとうにうれしかった。 「もう、大丈夫!」 ということで、「…

カソリの峠越え(17) 四国編(6):四万十川流域の峠 (Crossing Ridges in Japan: Shikoku Region)

(『月刊オートバイ』1995年9月号 所収) 「四国一周」の峠越え第6弾は、四万十川流域の峠。 四万十川下流の町、中村を出発点にして、まず最初は、支流の黒尊川流域の峠を越え、愛媛県の宇和島に出た。 次に、同じく支流の吉野川流域の峠、檮原川流域…

カソリの峠越え(16) 四国編(5):高知・愛媛県境の峠 (Crossing Ridges in Japan: Shikoku Region)

(『月刊オートバイ』1995年8月号 所収) 四国一周の峠越えの第5弾は、高知・愛媛県境の四国山脈の峠だ。 高知県の大豊町を出発点にし、高知・愛媛県境の四国山脈の峠を高知側から愛媛側へ、愛媛側から高知側へ‥‥と、ジグザグに越えていった。 このあ…

カソリの峠越え(15) 四国編(4):祖谷の峠 (Crossing Ridges in Japan: Shikoku Region)

(『月刊オートバイ』1995年7月号 所収) 四国の峠越え第4弾目は徳島県の祖谷(いや)の峠だ。 祖谷といえば、かつては富山県の五箇山や熊本県の五家荘とともに、“日本三大秘境”などとよくいわれた。 祖谷は西祖谷山村と東祖谷山村に分かれているが、…

カソリの峠越え(14) 四国編(3):讃岐山脈の峠 (Crossing Ridges in Japan: Shikoku Region)

(『月刊オートバイ』1995年6月号 所収) 四国一周の峠越え第3弾は、讃岐山脈の峠だ。 讃岐山脈というのは、香川・徳島両県の境の山脈。阿波(徳島県)と讃岐(香川県)の境なので、阿讃山脈ともいわれる。 東西に長く連なる山脈で全体になだらかな山…

カソリの峠越え(13) 四国編(2):徳島の峠 (Crossing Ridges in Japan: Shikoku Region)

(『月刊オートバイ』1995年5月号 所収) 高知を出発点にした「四国一周」の峠越えの第2弾は、「徳島の峠」だ。 前回では「高知・徳島県境」の峠を越え、徳島県南端の宍喰温泉に泊まったが、今回は宍喰温泉を出発点にして徳島県内の峠を越えた。 国定…

カソリの峠越え(12) 四国編(1):高知・徳島県境の峠 (Crossing Ridges in Japan: Shikoku Region)

(『月刊オートバイ』1995年4月号 所収) 寒風の吹きすさぶ12月に、全行程2200キロで四国を一周し、全部で51峠を越えてきた。四国編の峠越え第1弾は、高知・徳島の県境の峠だ。 高知への船旅 四国の峠越えの相棒はスズキDJEBEL200。 「さ…

カソリの峠越え(11) 九州編(11):「人吉→鹿児島」の峠 (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1998年6月号 所収) 熊本県の人吉を出発点にし、加久藤峠を越えて宮崎県のえびのに出、つつづいてえびの高原の霧島峠を越えて鹿児島県に入った。鹿児島県内の峠を越えながら南下し、鹿児島市内に入り、西鹿児島駅前を九州編の峠越…

カソリの峠越え(10) 九州編(10):熊本・鹿児島県境の峠(Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1998年5月号 所収) 熊本・鹿児島県境の峠越えの出発点は、熊本県南部、人吉盆地の中心地の人吉だ。ここから国道267号で久七峠を越えて鹿児島県に入った。 肥薩国境の久七峠越え 今回の出発点の人吉は、日本でも名だたる“霧の町…

カソリの峠越え(9) 九州(9):熊本・宮崎県境の峠(その2) (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1988年4月号 所収) 今回は、前回にひきつづいての「熊本・宮崎県境の峠」。その第2弾目だ。 宮崎県側の西米良村を出発点にし、国道219号の横谷峠を越えて熊本県側に入ると県境の峠を次々に越え、熊本・宮崎の両県を行ったり来…

カソリの峠越え(8) 九州編(8):熊本・宮崎県境の峠(パート1) (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1988年3月号 所収) 南九州の第2弾目は熊本・宮崎県境の峠だ。 九州の背骨、九州山地を越える峠は、どこも迫力満点。最初に、九州ナンバーワン林道の内大臣椎葉林道で椎矢峠を越えたが、ダート39キロの峠越えルートは“オフロー…

カソリの峠越え(7) 九州編(7):五木の峠 (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1998年2月号 所収) 今回からの峠越えの舞台は南九州だ。その第1弾は「おどま盆ぎり盆ぎり‥‥」の『五木の子守唄』で知られる熊本県の五木。まわりをぐるりと山々に囲まれた五木は峠の宝庫のようなところで、四方八方へ何本もの峠…

カソリの峠越え(6) 九州編(6):大分県の峠 (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1996年11月号 所収) 九州の峠越え、第6弾は大分県の玖珠盆地や日田盆地周辺の峠だ。 大分を出発し、国道210号で水分峠を越え、九州最大の川、筑後川の水系に入っていった。まず最初は玖珠盆地周辺の峠を越え、次に日田盆地周…

カソリの峠越え(5) 九州編(その5):大分・宮崎県境の峠 (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1996年10月号 所収) 九州の峠越え、第5弾目は、大分・宮崎県境の峠。 「阿蘇の峠」を終えたあと、国道57号で熊本県から大分県に入り、竹田盆地の中心、竹田の町に出た。 竹田は胸にキューンとしみるようないい町だ。大分と熊…

カソリの峠越え(4) 九州編(その4):阿蘇の峠 (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1996年9月号 所収) 阿蘇は世界一の火山だ! 外輪山に囲まれた東西18キロ、南北24キロにもおよぶ大カルデラの中には、いくつもの町や村がある。広々とした水田もある。鉄道も走っている。 その中央には、高岳、中岳、搗島岳、烏帽…

カソリの峠越え(3) 九州編(その3):筑肥山地の峠 (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1996年8月号所収) 福岡・佐賀県境の背振山地の峠越えを終えたあとは、久留米近郊の長門石温泉に泊まった。“筑紫次郎”と呼ばれる九州第一の大河、筑後川河畔にある温泉だ。 翌日(1995年12月14日)は久留米を出発点に南下…