賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

秘湯めぐりの峠越え(37)川汲峠(北海道)

(『アウトライダー』1996年7月号 所収) 北海道ツーリングの出発点に最適な函館は温泉町でもある。有名な湯ノ川温泉のほかに谷地頭温泉、函館温泉とあるが、それらの湯に入ったところで出発だ。 道道722号で亀田半島の川汲峠を越えたが、内地では初…

秘湯めぐりの峠越え(36)傘松峠(青森)

(『アウトライダー』1996年6月号 所収) 八甲田山は紅葉のまっ盛りだった。 「おー、これぞ、日本一の紅葉!」 と、思わずそんな声が出てしまう。 あまりにもきれいな、目のさめるような赤や黄に染まった木々の葉に、スズキDJEBEL200を何度、…

管理人一家、夏休みから帰還しました

え~、カソリブログと直接関係ない話ですみません! 昨晩、管理人一家は夏季休暇より無事に帰着しました。 カソリに当てられて(?)の激旅です。ま、レベルは違いますが。 1)上野~青森の昼行バス 2)青森でレンタカー、酸ヶ湯・谷地温泉~十和田湖~黒…

日本列島岬めぐり:第36回 久成崎(くなりざき・沖縄)

(共同通信配信 1990年) 石垣島の石垣港は八重山諸島の玄関口。そんな石垣港から沖縄最南端の波照間島に渡った。波照間島は有人島としては日本最南端の島になる。 高速船「第8あんえい丸」で石垣港を出ると、あっというまに竹富島のわきを通り過ぎ、新…

日本列島岬めぐり:第35回 西崎(いりさき・沖縄)

(共同通信配信 1990年) 石垣島の石垣港を離れて4時間、「フェリーよなくに」は日本最西端の島、与那国島の久部良港に入港。目の前には日本最西端の岬、西崎が断崖となってそそり立っている。 久部良港に上陸すると、まずは港近くのクブラバリ(久部良…

日本列島岬めぐり:第34回 平久保崎(ひらくぼざき・沖縄)

(共同通信配信 1990年) 那覇からフェリー「飛竜3」で18時間かけて渡った石垣島の石垣は八重山諸島の中心地。石垣港に上陸すると、50ccバイクを走らせ、日本最南の国道390号で石垣島最北端の平久保崎に向かった。 太平洋に流れ出る宮良川の河口…

日本列島岬めぐり:第33回 喜屋武岬(きゃんみさき・沖縄)

(共同通信配信 1990年) 沖縄の人たちはよく、「辺土岬から喜屋武岬まで」という。沖縄本島最北端の辺土岬から最南端の喜屋武岬までということで、沖縄本島の全土を意味している。 その喜屋武岬には与那原から国道331号で向かい、途中、沖縄第一の聖…

日本列島岬めぐり:第32回 辺戸岬(へどみさき・沖縄)

沖縄本島を南北に走る国道58号を北上し国頭(くにがみ)へ。沖縄では昔から島の北を頭や上、南を尻や下とする観念があり、本島の北半分を国のカミと考え、「国頭」と呼んだ。近世になると、国頭地方は山原(やんばる)とも呼ばれるようになった。 国頭村の…

日本列島岬めぐり:第31回 長崎鼻(ながさきばな・鹿児島)

日本鉄道網の最南端駅、JR指宿枕崎線の西大山駅は、駅舎もないような寂しい無人駅。ホームの先端には「日本最南端駅 北緯31度11分」と書かれた木標が立っている。20時40分発の西鹿児島行き最終列車が出た後、ホームのベンチで寝袋にくるまって1夜…

日本列島岬めぐり:第30回 坊ノ岬(ぼうのみさき・鹿児島)

薩摩半島南西端の坊ノ岬に行く前に、薩摩半島北西端の野間岬に立った。両岬とも東シナ海に突き出た岬である。 野間岬は昔、笠沙之碕と呼ばれた「古事記」の舞台である。日本初代の神武天皇のおじいさんにあたるニニギノ命が木花開耶姫と出会い、結ばれる。岬…

日本列島岬めぐり:第29回 瀬詰崎(せづめざき・長崎)

(共同通信配信 1990年) 名物のチャンポンと皿うどんを食べた長崎から国道251号で島原半島に入っていった。50ccバイクを走らせ、丸一日をかけて半島を一周。島原半島には心ひかれるものがった。 雲仙岳西側の小浜温泉の湯につかり、島原名物の具雑…

日本列島岬めぐり:第28回 神崎鼻(こうざきばな・長崎)

(共同通信配信 1990年) 北松浦半島の神崎鼻は、日本本土最西端の岬である。 とはいっても最北端の宗谷岬や最東端の納沙布岬、最南端の佐多岬に比べると、ほとんど知られていない。 北松浦半島には焼き物の町、伊万里から入り、日本最西端駅に立ち寄っ…

日本列島岬めぐり:第27回 波戸岬(はどみさき・佐賀)

(共同通信配信 1990年) 東松浦半島の九州北西端の岬、波戸岬には城下町の唐津から向かったが、その前に岬近くの名護屋城跡を歩いた。 名護屋城は豊臣秀吉が大陸に賭けた壮大な夢をみた城で、1592年~1594年の文禄の役、1597年~1598年…

日本列島岬めぐり:第26回 日御碕(ひのみさき・島根)

(共同通信配信 1990年) 鳥取県と島根県の県境は分かりにくいが、米子と日本海有数の水揚げ高を誇る漁港の境港は鳥取県である。境港から境水道橋を渡った島根半島の美保関は島根県になる。 地図を見ると、島根半島がじつに奇妙な形をしていることがよく…

カソリの島旅(8)神津島

(『ジパングツーリング』2001年7月号 所収) 神津島 式根島の民宿「鈴豊」で朝食を食べる。夕食にはメジナの刺し身と煮魚が出たが、朝食にはカワハギの仲間のウスバハギの焼き魚が出た。魚が大好きのカソリなので、朝からうまい魚を食べられてご機嫌だ…

カソリの島旅(7)式根島

(『ジパングツーリング』2001年7月号 所収) 式根島 「伊豆七島」というと、伊豆大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島の7島で、その中に式根島は含まれない。式根島を入れて「伊豆八島」という場合もあるらしい。また「伊豆五島」という…

カソリの島旅(6)

(『ジパングツーリング』2001年7月号 所収) 新島 新島は南北に細長い島で、島一周の道はない。そこで新島港に着くと、新島の中心、本村からまずは北へ。全長739メートルという長い新島トンネルを抜け、北端の集落、若郷まで行った。10キロほどだ…

カソリの島旅(5)

(『ジパングツーリング』2001年7月号 所収) 利島 伊豆大島から東海汽船の「さるびあ丸」で渡った利島はまさに「椿の島」。全島が椿で覆われている。その数は数十万本といわれ、椿油の生産は日本一。 利島は伊豆諸島の中でも最小の島で人口300人。…

カソリの島旅(4)

(『ジパングツーリング』2001年7月号 所収) 伊豆大島 ぼくは1999年の4月から11月にかけて、スズキDJEBEL250GPSを走らせ、全行程が4万キロの「日本一周」をなしとげた(そのときのことは昭文社刊の『日本一周バイク旅4万キロ・上…

こんなTシャツ、ど~ですか。

秘湯めぐりの峠越え(35)鬼首峠編

(『アウトライダー』1996年5月号 所収) 宮城・秋田県境の鬼首峠の両側には、キラ星のように温泉が散りばめられている。ゾクゾクッとするほどのエリアなのだ。 宮城県側には鳴子温泉郷の4湯、鬼首温泉郷の4湯と、計8湯の温泉がある。 秋田県側には…

秘湯めぐりの峠越え(34)刈田峠編(宮城・山形)

(『アウトライダー』1996年4月号 所収) 日本一周ライダーとの出会い 東京からスズキDJEBEL200を走らせ、東北道を北へ。浦和料金所から300キロの白石ICで降りる。今晩の宿、白石温泉の「ホテル本陣」へ。城下町白石の中心街から2キロほど…

日本列島岬めぐり:第25回 経ヶ岬(きょうがみさき・京都)

(共同通信配信 1990年) 丹後半島最北端の経ヶ岬には半島付け根の町、宮津から向かった。 50ccバイクの特典を生かし、スズキ・ハスラーTS50で日本三景のひとつ、天橋立の中を走っていく。天橋立は上から見下ろせば、 「なるほど!」 とうなずける…

日本列島岬めぐり:第24回 立石岬(たていしみさき・福井)

(共同通信 1990年) 福井県は日本海に落ち込む大山塊を境に嶺北と嶺南に分かれるが、嶺南の中心が敦賀である。 古くから北陸道の玄関口として栄えてきた。町中にある気比神宮は越前の一の宮だが、北陸道の総鎮守にもなっている。 日本三大松原のひとつ…

日本列島岬めぐり:第23回 禄剛崎(ろっこうざき・石川)

(共同通信配信 1990年) 能登半島を3つに分けて口能登、中能登、奥能登と呼ばれているが、奥能登の東北端の岬が禄剛崎である。 奥能登の日本海に面した外浦は見所が多い。 白米の千枚田は山の上から海岸まで段々になった2000枚以上の田がつづいて…