賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(22)

岩手県大船渡市の中心、大船渡からは県道9号で綾里へ。ここは津波の特異地帯といってもいいほどで、明治29年(1896年)6月15日の「明治三陸大津波」では38・2メートルという最大波高を記録した。 「明治三陸大地震」によってひきおこされた「明…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(21)

陸前高田市の広田半島の広田崎と黒崎の2つの岬に立ち、一ノ関駅と大船渡の盛駅を結ぶJR大船渡線(気仙沼駅~盛駅間は運休中)の踏み切りを渡る。 大津波の直撃を受けてグニャグニャに曲がって流された線路は撤去されている。しかし大船渡線の復興、開通ま…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(20)

気仙沼からは国道45号をさらに北上し、県境を越え、宮城県から岩手県の陸前高田市に入っていく。 気仙川の河口にかかる気仙大橋は大津波で流された。そのため陸前高田の町に入っていくのには、気仙川沿いにさかのぼり、大きく迂回し、国道343号→340…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(19)

国道45号で南三陸町から気仙沼市に入っていく。 元吉の手前で津谷川の河口にかかる小泉大橋の仮橋を渡った。この仮橋完成以前は狭い迂回路に入り、大きく迂回しなくてはならなかったが、こうして三陸海岸幹線の国道45号で一気に走っていかれるようになる…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(18)

石巻市から国道398号で南三陸町に入り、いかにも大津波を連想させるような地名の「波伝谷」を通り、国道45号に合流。合流地点には仮設の「セブンイレブン」ができている。 志津川湾の波静かな海を見ながらVストロームを走らせる。 以前は「海の畑」を…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(17)

国道398号沿いの民宿「小滝荘」の朝食を食べ、7時出発。スズキV-ストロームを走らせ、相川漁港へ。 ちょうどそこでは震災後初の三陸産ワカメの水揚げが始まっていた。みなさんの生き生きとした表情が印象的。やっとワカメを採れるようになったという喜…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(16)

女川から国道398号で三陸のリアス式海岸を行き、ふたたび石巻市に入る。 旧雄勝町雄勝の公民館の屋根上に乗ったバスは3・11から1年を機に下に降ろされたが、雄勝湾の一番奥に位置する雄勝の町には何も残っていない。女川同様、町が消え去った。瓦礫が…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(15)

JR仙石線の野蒜駅跡をあとにすると、県道27号から鳴瀬川の堤防上の道を走り、国道45号に合流。東松島市の中心、矢本を通り、石巻の海岸地帯を走る。大きな被害を受けた日本製紙の石巻工場は全面復旧し、操業している。それにしても日本製紙石巻工場の…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(14)

名取川河口の閖上から県道10号を北上し仙台へ。 仙台港周辺も大津波で大きな被害を受けたところだが、大半の工場は操業を再開している。ここでは仙台港のフェリー埠頭でスズキV-ストロームを停めたが、ちょうど太平洋フェリーの「いしかり」が名古屋港に…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(13)

宮城県亘理町の荒浜を出発。県道10号に戻ると、亘理大橋で東北第2の大河、阿武隈川を渡り、岩沼市に入っていく。 県道20号との交差点を過ぎると仙台空港の滑走路下のトンネルに突入。「東日本大震災」の2ヵ月後に来たときは、このあたり一帯はすさまじ…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(12)

福島県の新地町から国道6号で宮城県の山元町に入った。 山元町の海岸地帯でも、新地町同様、津波による大きな被害を受けた。常磐山元自動車学校の送迎バス5台が津波に飲み込まれ、教官と教習生39人が犠牲になるといった悲劇を含め、700人弱もの死者・…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(11)

松川浦から海岸近くの県道38号を北上。相馬市から新地町に入ると、新地の火力発電所前を通るが、この石炭火力の発電所は操業を再開している。 かつての新地の町跡に到着。海沿いの町並みは消え去り、家々のコンクリートの土台だけが残っている。まるで遺跡…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(10)

相馬市の蒲庭温泉「蒲庭館」の朝湯に入り、大広間での朝食。この近くには東北電力の原町火力発電所があり、その復旧工事の作業員のみなさんで宿はほぼ満員。 温泉卵、のり、塩ジャケの朝食を食べ、8時出発。カソリのV-ストロームが先頭を走り、斎藤さんの…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(9)

南相馬市では相馬野馬追の原町の騎馬武者軍団が出発する太田神社を参拝し、国道6号の通行止地点まで行った。そこが爆発事故を起こした東京電力福島第1原子力発電所20キロ圏の北側になる。 南相馬市は2006年1月、原町市と鹿島町、小高町の1市2町が…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(8)

相馬駅前を出発点にして相馬市、南相馬市の「相馬」をめぐる。 まずは相馬市の中心の中村だ。 福島から相馬までは国道115号で霊山を越えてやって来たが、この国道115号の「福島→相馬」間は中村街道といわれている。中通りの福島と浜通りの中村を結ぶ街…