賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

シルクロード横断:第51回 カッパドキア

 世界の奇景、カッパドキアに到着した翌日は、ネブシェヒルの「ユクセラーホテル」にバイクを置いて、我ら「シルクロード軍団」はバスツアーを楽しんだ。

 エルジャス山の麓、標高1200メートルの高原地帯のァッパドキアは、太古からの火山活動と侵食作用によって、奇岩、奇峰が連なる独特の風景を造り出している。カッパドキアでしか見られないような風景だ。

 圧巻はなんといってもギョレメだ。あちこちに見られる岩をくり抜いた岩窟住居には目を奪われる。岩窟ホテルもある。町の中央の店々には華やかな色柄のトルコ絨毯が並んでいるが、この地方はトルコ絨毯の名産地。キジルイルマック川上流の高原の冬は厳しく、雪に埋もれ、その間に女性たちは絨毯を織る。

 郊外にはイスラム教徒の迫害から逃れるために、キリスト教徒が建設したという岩窟教会がいくつもある。岩窟内の岩壁にはキリストやマリア、馬に乗った聖者…などの色鮮やかなフレスコ画が描かれている。

 カイマクルにも行った。ここは蟻の巣のように地下へ、地下へと岩窟住居が延びている地下都市。地下8階の深さがある。礼拝堂や学校、食料庫、家畜庫、井戸などがあり、通気孔が各階に通じ、下水道もある。まさに一大地下都市で、大規模な共同生活が営まれていた。2万人あまりの人たちが住んでいたと推定されているが、何のための地下都市だったのか、その歴史には謎が多い。

 カッパドキアではそのほか、ピジョンバレーや自然の摩天楼のウチヒサール、ほんとうに3本のキノコがはえているように見えるキノコ岩、陶器工房などを見てまわった。

 ギョレメではこの地に長期滞在した何人かの日本人の話を聞いたが、カッパドキアにはそれだけの魅力があるということだ。またいつの日か、カッパドキアに来ることがあったら、そのときは何日か滞在しよう。

5573、カッパドキアの奇岩の風景

カッパドキアの奇岩の風景

5592、ギョレメの中心街

ギョレメの中心街

5561、トルコ絨毯を売る店が並ぶ

トルコ絨毯を売る店が並ぶ

5588、キノコ岩

キノコ岩