賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

実は鉄っちゃん、カソリの旅!

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(15)

(月刊『旅』1995年3月号 所収) 谷地頭温泉の市営温泉浴場 前回の終着点、青森からは、20時56分発の函館行きL特急「はつかり21号」に乗った。もうこの時間帯だと、普通列車(快速)もないので、特急列車に乗るしかなかった。列車は青函海底トンネル…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(14)

(月刊『旅』1995年2月号 所収) 温泉で早起きの眠気を吹き飛ばす 東北本線(宇都宮線)の一番列車、上野発5時09分の黒磯行きに乗り込む。7両編成の電車はガラガラ。これから青森へ、さらには北海道に渡り、日本最北の稚内まで行くのだ……と思うと、胸…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(13)

(『月刊旅』1995年1月号 所収) 新潟平野から越後山脈へ 前回では東京・上野駅を出発し、高崎線→上越線→信越本線と乗り継いで新潟までやってきたが、今回は、信越本線→磐越西線→磐越東線→常磐線というルートで東京へと戻っていく。その途中では、福島…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(12)

(月刊『旅』1995年1月号 所収) 車窓から眺める関東の名山 鈍行列車乗り継ぎの「分割・日本一周」も、いよいよ、東京から北へ。 「関東・東北南部一周」への旅立ちだ。 5時00分、人影もまばらな上野駅6番ホームに、高崎線の一番列車が入線。胸の躍る…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(11)

(月刊『旅』1994年12月号 所収) 琵琶湖畔の長浜太閤温泉 東京から東海道本線で温泉の“はしご旅”をくり返しながら、滋賀県の米原までやってきた。 北陸本線の起点にもなっている米原からは、北陸本線、信越本線の鈍行列車に乗り継ぎながら温泉に入り…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(10)

(月刊『旅』1994年11月号 所収) 箱根の温泉を総ナメだ! 東京駅発の長距離最終“大垣行き”に乗りつづけてきた“鈍行乗り継ぎ”の「分割・日本一周」だが、今回の東海道本線篇では、5時20分発の静岡行き一番列車に乗った。 夜明けの東京を離れていくの…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(9)

(月刊『旅』1994年10月号 所収) 「亀山→新宮」間では、温泉はおあずけだ‥‥ 「九州一周」「中国一周」「四国一周」にひきつづいての「分割・日本一周」第4弾の「紀伊半島一周」。 今回も、東京駅発22時40分の“大垣行き”に乗った。切符は“南近畿ワイ…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(8)

(月刊『旅』1994年9月号 所収) 旧宇高連絡船ルートで四国に入る 四国ワイド周遊券(東京発2万7400円)を持っての「四国一周」だ。 東京駅9番ホームから23時40分発の“大垣行き”に乗る。「中国一周」の、超満員の“大垣行き”とはうってかわって、…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(7)

(月刊『旅』1994年8月号 所収) 本州最西端の下関が出発点 京都駅を出発し、山陰本線の鈍行列車を乗り継いで5日目の早朝、下関駅に到着。本州最西端のターミナル駅に降り立って、ぼくの胸は踊る。下関駅は大陸への夢を限りなくかきたててくれるからだ…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(6)

(月刊『旅』1994年7月号 所収) 超満員の“大垣行き” “鈍行乗り継ぎ”の定番列車“大垣行き”に乗ろうと“青春18きっぷ”を手に、午前0時30分、東海道本線の小田原駅にやってきた。30分ほど待って到着した列車を見て、 「いやー、まいったなあ……」 と、ぼく…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(5)

(月刊『旅』1994年6月号 所収) “温泉都市”鹿児島 門司港駅から日豊本線の鈍行列車に乗り継いで西鹿児島に到着すると、駅近くの「みどり旅館」に宿をとった。1泊3000円(素泊まり)という安宿だ。 鹿児島ではまず城山に登る。鹿児島の市街地にせ…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(4)

(月刊『旅』1994年5月号 所収) 「分割・日本一周」の旅に出発だ! 1994年2月5日土曜日は、記念すべき日。“鈍行乗り継ぎ”で日本中をまわりはじめる第1日目になるからだ。「ヤルゾー!」とぼくは意気込んで東京駅にやってきた。これから1年間、…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(3)

(月刊『旅』1994年1月号 所収) 池袋発の鈍行列車で東北へ 1993年10月21日、東京・池袋駅。 9時06分発の宇都宮線黒磯行き鈍行列車に乗り込んだ時は、「ヤッタネー!」という気分で、うれしさが胸にこみあげてきた。前から一度、池袋駅から…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(2)

(月刊『旅』1993年2月号 所収) 23時40分発の大垣行きに乗って 東海道線の長距離最終、23時40分発の大垣行き列車に乗るために、東京駅の7番ホームに立った時は、胸がジーンとしてしまった。 「久しぶりだなあ…」 “鈍行乗継ぎ”をひんぱんにや…

「鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行」(1)

(『月刊旅』1992年7月号 所収) “青春18きっぷ”で東北一周 鈍行列車に乗り継いで温泉めぐりをするようになったきっかけは、“青春18きっぷ”を使っての「東北一周」。それは、月刊『旅』(JTB発行)の企画だったが、編集部の上野光一さんからその話を…