賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

食文化4:食文化研究所

カソリの食文化研究所:第26回 中国編

(『ツーリングGO!GO!』2004年12月号 所収) 日本各地の麺を食べ歩いているカソリ、中国・済南の軽騎鈴木製110㏄バイク、QS110を走らせての「中国・東北部走破行」では、おおいなる興味を持って各地で麺を食べた。 食べるだけでなく、食…

カソリの食文化研究所:第25回 仁賀保編

(『ツーリングGO!GO!』2004年11月号 所収) 秋田県の鳥海山麓、仁賀保の「キッチンさかなやさん」で、とれたての岩ガキを食べられるという情報をキャッチした。ここは「ツーリングマップル」にも出ている店。すぐさまスズキDR-Z400Sで…

カソリの食文化研究所:第24回 熊川編

(『ツーリングGO!GO!』2004年10月号 所収) 「鯖街道」で訪ねた若狭の熊川宿を再訪した。 京都・錦市場から若狭・小浜までの鯖街道を走ったときは、「若狭の鯖」で頭がいっぱいだった。「鯖、鯖、鯖…」と、まるで呪文を唱えるかのよに「鯖」を…

カソリの食文化研究所:第23回 京都→小浜編

(『ツーリングGO!GO!』2004年9月号 所収) 京都から若狭・小浜までの「鯖街道」を走ろうと、東京を午前5時に出発。スズキDR-Z400Sで東名→名神と駆け、午前11時には京都東ICに到着した。距離はちょうど500キロ。すぐさま京都市内…

カソリの食文化研究所:第22回 士別編

(『ツーリングGO!GO!』2004年8月号 所収) 札幌からさらに北へ。 スズキDR-Z400Sで北の大地を突っ走り、塩狩峠を越えて士別へ。目指すのは郊外の丘陵地帯にある「羊と雲の丘」。ここで北海道ならではの羊肉料理を食べるのが、一番の目的…

カソリの食文化研究所:第21回 札幌編

(『ツーリングGO!GO!』2004年7月号 所収) スズキDR-Z400Sで道央道を疾走し、札幌に到着すると、札幌一番の繁華街「すすきの」に直行。といっても目指すのはネオンがまぶしい歓楽街の方ではなく、札幌ラーメンの本場の「ラーメン横丁」…

カソリの食文化研究所:第20回 函館編

(『ツーリングGO!GO!』2004年6月号 所収) 「東北縦断」のあと、ひきつづいて函館→稚内の「北海道縦断食べまくり旅」をする。 夜明け前の函館港フェリー埠頭にスズキDR-Z400Sとともに降り立ったときは、「さー、稚内を目指すゾ!」 と気…

カソリの食文化研究所:第19回 青森編

(『ツーリングGO!GO!』2004年5月号 所収) 「東北縦断たべまくり旅」のゴール、青森に到着。 青森駅に近い「アスパム(青森県観光物産館)」でスズキDR-Z400Sを止めた。そして10階の郷土料理店「西むら」で津軽名物の「じゃっぱ汁」を…

カソリの食文化研究所:第18回 比内編

(『ツーリングGO!GO!』2004年4月号 所収) 「東京→青森」の「東北縦断・食べまくり」をした。 スズキDR-Z400Sを徹底的に走らせ、 「カソリの鉄の胃袋パワー」 を全開にして、次から次へと食べまくった。 まさにカソリの本領発揮だ。 東…

カソリの食文化研究所:第17回 信州編

(『ツーリングGO!GO!』2004年1月号 所収) 信州名物の「おやき」を食べようと、諏訪盆地の下諏訪から、佐久平(佐久盆地)の岩村田まで、スズキDJEBEL250GPSバージョンで中山道を走った。 この間の中山道には、昔ながらの面影を今に…

カソリの食文化研究所:第16回 気仙沼編

(『ツーリングGO!GO!』2003年12月号 所収) 気仙沼漁港のカツオの水揚げは、他港を圧倒して日本一だ。 「日本一」を見たくなるのは、我らツーリングライダーの本能のようなもの。 「戻りがつお漁」がはじまったというニュースを聞くと、水揚げ…

カソリの食文化研究所:第15回 女川編

(『ツーリングGO!GO!』2003年10月号 所収) ホヤは三陸海岸を代表する珍味といっていい。 その姿、形から、「海のパイナップル」ともいわれている。形容するのが難しいほどに独特の味のするホヤを食べると、「三陸海岸にやってきたなあ!」とい…

カソリの食文化研究所:第14回 魚沼編

(『ツーリングGO!GO!』2003年9月号 所収) 清流の川魚、アユは日本の夏には欠かせない味覚。 アユが解禁になると、それを待ちかねたように釣人が川に急ぐのも、友釣りでのアユ釣りのおもしろさのほかに、一時も早くアユを味わいたいという気持ち…

カソリの食文化研究所:第13回 浜松編

(『ツーリングGO!GO!』2003年8月号 所収) 夏の厳しい暑さを乗り切るのには食べるのが一番。その中でも栄養価の高いうなぎの効果は絶大だ。 うなぎには良質なタンパク質やカルシウム、ビタミンA、Eなどが豊富に含まれているが、とくに夏バテに…

カソリの食文化研究所:第12回 富山編

(『ツーリングGO!GO!』2003年7月号 所収) ぼくは富山のますずしが大好きだ。 国道8号で日本海沿いに走ると、条件反射的に富山駅まで行って「ますずし」の駅弁を買ってしまう。 これぞ、まさにパブロフの法則。 富山駅の「ますずし」は日本一の…

カソリの食文化研究所:第11回 長浜編

(『ツーリングGO!GO!』2003年6月号 所収) 琵琶湖の「ふなずし」(なれずし)を食べようと、近江(滋賀県)の長浜に向かった。 ところで「すし」といえば誰でもが知っている食品だ。今の時代だとすぐに握りずしを思い浮かべるが、その語源は「酸…

カソリの食文化研究所:第10回 浜松編

(『ツーリングGO!GO!』2003年5月号 所収) 春一番の林道を走ろうと、静岡県の奥浜名に向かった。 東京からスズキDJEBEL250GPSバージョンで東名高速を一気に走る。 浜松ICで降り、浜松の中心街に入っていく。浜松城跡で徳川家康像…

カソリの食文化研究所:第9回 越前町編

(『ツーリングGO!GO!』2003年4月号 所収) 「日本で一番うまいカニ」といったら、これはもう文句なしに「越前ガニ」だ。 その越前ガニを 「食べた~い!」 と思った。 思い立ったが吉日、カソリの旅日和。すぐさま愛車のスズキDJEBELE2…

カソリの食文化研究所:第8回 輪島編

(『ツーリングGO!GO!』2003年3月号 所収) 冬ツーリングには、なんたって鍋だ。 絶対に鍋だ。誰が何といおうとも鍋なのである。 とはいっても、ただの鍋では我慢できないカソリ。「食文化研究家」の心をくすぐるような、研究意欲を満たしてくれる…

カソリの食文化研究所:第7回 氷見編

(『ツーリングGO!GO!』2003年2月号 所収) 富山湾の海流は、時計回りだ。 そこでは古くから、湾内を流れる海流を利用して、ブリの定置網漁が盛んにおこなわれてきた。富山湾のブリ漁の本場が氷見漁港。ここに水揚げされる「氷見ブリ」はまさにブ…

カソリの食文化研究所:第6回 唐沢編

(『ツーリングGO!GO!』2003年1月号 所収) 「新そばが出始めた!」 というニュースをキャッチすると、そばを食べに信州に行きたくなった。 そばといえば信州。信州といえばそばなのである。信州のそばはほんとうにうまい! たとえば国道18号で…

カソリの食文化研究所:第5回 岡崎編

(『ツーリングGO!GO!』2002年12月号 所収) 皆さんは毎朝、どんな味噌汁を飲んでいますか? 我々にとって味噌はあまりにも身近なもの。ふだんは意識することなく使ったり、味わったりしているが、じつはこれが大変なシロモノなのだ。 地域差が…

カソリの食文化研究所:第4回 静岡編

(『ツーリングGO!GO!』2002年11月号 所収) 街道を風のように駆け抜けていくツーリングライダーのカソリにとって、街道と名物料理のとり合わせほど、おもしろいものはない。 街道への興味、その土地に根づいた名物料理への興味と、両方の興味を…

カソリの食文化研究所:第3回 伊那編

(『ツーリングGO!GO!』2002年10月号 所収) 馬刺しを食べたくなった。 それも無性に食べたくなったのだ。 馬刺しといえば、熊本や東北の各地にそれを名物にしているところがあるが、なんといっても本場は信州の伊那谷。思い立ったが吉日、東京…

カソリの食文化研究所:第2回 甲州編

(『ツーリングGO!GO!』2002年9月号 所収) 地球の両極点、北極点と南極点にバイクで到達したアドベンチャーライダーの風間深志さんと雑誌で対談したとき、バイク談義はそっちのけで、カソリ&カザマ、「ほうとう談義」でおおいに盛り上がった。 …

カソリの食文化研究所:第1回 奥会津編

(『ツーリングGO!GO!』2002年8月号 所収) 「現地食主義」のカソリ、この30年余、それぞれの土地に根づいたものを食べながらバイクで世界中を旅してきた。日本でも海外でも、ツーリングのおもしろさは「土地のものを食べること」に尽きると思っ…