賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

(20)「300日3000湯」の「ゆーゆーさん」(その4)

※原著作者と相談の上、削除いたしました(その1~4)。 ご了承ください。2008年9月26日

「オーストラリア2周」前編:第2回 タスマニア一周

(『月刊オートバイ』1997年2月号 所収) 50㏄バイクのスズキ・ハスラーTS50で「日本一周」したときは、日本の最東西南北端の岬に立った。 これが、我らライダーの習性。最果ての地に、すごく行ってみたくなるものなのだ。 「オーストラリア一周」で…

オーストラリア2周(前編):第1回 シドニー→メルボルン

(『月刊オートバイ』1997年1月号 所収) 「メッタメタに走ってやる!」 これがカソリの「オーストラリア一周」、一番の目的。 みなさんもきっと、そんな気持ちになったことがあると思うが、ぼくは無性にオートバイで長距離を走りたくなったのだ。 それ…

「カソリのオーストラリア2周」(1996年)について

※2008年9月23日記す 40代も後半になったところで、ぼくは体力勝負で250㏄バイクのスズキDJEBEL250XCを走らせ、オーストラリアを2周することにした。 「オーストラリア2周」というのは、20代にもやっているので、このときが2度目ということ…

日本列島岬めぐり:第15回 納沙布岬(のさっぷみさき・北海道)

(共同通信配信 1990年) 日本の数ある岬の中でも、東西南北端の岬というのは、特別に感慨深いものがある。 日本本土最東端の納沙布岬もそのひとつ。 根室半島突端の東経145度49分13秒の納沙布岬には根室から向かった。その途中には「返せ! 北方…

日本列島岬めぐり:第14回 襟裳岬(えりもみさき・北海道)

(共同通信配信 1990年) 原始のにおいをとどめる日高山脈が、北太平洋に落ち込む地点が襟裳岬だ。 北の狩勝峠から南の襟裳岬に到る120キロもの長大な日高山脈は、氷河地形のカールをいくつも残し、深い原生林に覆われ、北海道でも最も人里離れたとこ…

カソリの峠越え(12) 四国編(1):高知・徳島県境の峠 (Crossing Ridges in Japan: Shikoku Region)

(『月刊オートバイ』1995年4月号 所収) 寒風の吹きすさぶ12月に、全行程2200キロで四国を一周し、全部で51峠を越えてきた。四国編の峠越え第1弾は、高知・徳島の県境の峠だ。 高知への船旅 四国の峠越えの相棒はスズキDJEBEL200。 「さ…

カソリの食文化研究所:第6回 唐沢編

(『ツーリングGO!GO!』2003年1月号 所収) 「新そばが出始めた!」 というニュースをキャッチすると、そばを食べに信州に行きたくなった。 そばといえば信州。信州といえばそばなのである。信州のそばはほんとうにうまい! たとえば国道18号で…

カソリの食文化研究所:第5回 岡崎編

(『ツーリングGO!GO!』2002年12月号 所収) 皆さんは毎朝、どんな味噌汁を飲んでいますか? 我々にとって味噌はあまりにも身近なもの。ふだんは意識することなく使ったり、味わったりしているが、じつはこれが大変なシロモノなのだ。 地域差が…

日本列島岬めぐり:第13回目 地球岬(ちきゅうみさき・北海道)

(共同通信配信 1990年) 北海道屈指の重工業都市であり港湾都市でもある室蘭は、太平洋と内浦湾(噴火湾)を分けるようにして突き出た絵柄半島のつけ根に位置している。その絵柄半島南端の岬が地球岬だ。 まずは半島西端の絵柄岬に行った。岬の展望台に…

日本食べある記 第1回:下関のフグ

(「市政」1991年1月号 所収) フグといえば下関だ。フグの本場、下関では「フグ」と濁らずに「フク」と乾いた発音をする。「福を呼ぶ魚だからフクというんですよ」といった料理屋の女将さんの話を聞いたこともある。それだからこの項ではフグではなく…

韓国食べ歩き:第28回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 辛くない料亭料理 光州(クワンジュ)の料亭料理はご飯、味噌汁、豆腐のチゲ、6種のキムチ、3種のナムル、サワラの焼き魚、イシモチの煮魚、タコの酢の物、焼肉、玉子焼き、ニンニクの醤油漬け、カボチャの揚…

韓国食べ歩き:第27回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 日本と韓国の似ている点は… 朝鮮半島は、ユーラシア大陸の肉食・乳食文化圏に隣り合っている。 しかし韓国は、その食文化圏には含まれていない。それは市場を歩いてみれば、はっきりとわかることだ。 たしかに…

カソリの食文化研究所:第4回 静岡編

(『ツーリングGO!GO!』2002年11月号 所収) 街道を風のように駆け抜けていくツーリングライダーのカソリにとって、街道と名物料理のとり合わせほど、おもしろいものはない。 街道への興味、その土地に根づいた名物料理への興味と、両方の興味を…

カソリの食文化研究所:第3回 伊那編

(『ツーリングGO!GO!』2002年10月号 所収) 馬刺しを食べたくなった。 それも無性に食べたくなったのだ。 馬刺しといえば、熊本や東北の各地にそれを名物にしているところがあるが、なんといっても本場は信州の伊那谷。思い立ったが吉日、東京…

カソリの食文化研究所:第2回 甲州編

(『ツーリングGO!GO!』2002年9月号 所収) 地球の両極点、北極点と南極点にバイクで到達したアドベンチャーライダーの風間深志さんと雑誌で対談したとき、バイク談義はそっちのけで、カソリ&カザマ、「ほうとう談義」でおおいに盛り上がった。 …

カソリの食文化研究所:第1回 奥会津編

(『ツーリングGO!GO!』2002年8月号 所収) 「現地食主義」のカソリ、この30年余、それぞれの土地に根づいたものを食べながらバイクで世界中を旅してきた。日本でも海外でも、ツーリングのおもしろさは「土地のものを食べること」に尽きると思っ…

カソリと走ろう!(6)「キャニング・ストックルート走破」

(『ゴーグル』2004年11月号 所収) バイクでの北極点、南極点到達という偉業を成しとげた風間深志さんと甲州から信州にかけての林道を走ったのは、今から30年以上も前のことになる。カソリ28歳、カザマ25歳のときのことだった。 当時、風間さんは『月…

韓国食べ歩き:第26回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 肉料理抜き!?の料亭料理 光州(クワンジュ)の料亭料理のとてつもない量の多さはさておき、それを食べてみて感じたのは、料理の中に占める肉料理の比重の低さであった。 30皿近い料理のうち、わずか1皿、焼…

日本列島岬めぐり:第12回 恵山岬(えさんみさき・北海道)

(共同通信配信 1990年) 北海道・亀田半島東端にそびえる恵山は標高618メートル。ツンと尖った特徴のある山だ。二重式の活火山で、白い噴煙をたなびかせている。5月、6月ともなると、ツツジの花が全山を埋め尽くす。そんな恵山の周辺には温泉が何…

カソリと走ろう!(5)「サハリン縦断」

(『ゴーグル』2004年10月号 所収) 2000年8月1日、スズキDJEBEL250GPSバージョンとともに、神奈川県伊勢原市の自宅前に立ったときは、ぼくは体がゾクゾクッと震えるほど興奮した。 それは「道祖神」のバイクツアー、「カソリと走ろう…

日本列島岬めぐり:第11回 立待岬(たちまちみさき・北海道)

(共同通信配信 1990年) 北海道の第一歩は函館だ。 函館駅近くの朝市を見てまわり、早朝からやっている谷地頭温泉の湯に入り立待岬へ。 海岸に出る前から、住宅街の道路わきでは、コンブを干している。その光景はいかにも北海道らしい。幅広の、飛び切…

韓国食べ歩き:第25回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 光州の料亭料理 あっというまに、光州(クワンジュ)を離れる日がやってきた。 わずか4日の滞在であったが、名残おしい、忘れがたい光州だ。 私たちはすっかりお世話になった徐さんを招き、光州最後の食事をす…

韓国食べ歩き:第24回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 甕器づくりの村 光州(クワンジュ)には、神崎さんが懇意にしている徐一相さんがいる。 日本で生まれ、日本で育ち、終戦とともに故国の韓国に戻ってきた徐さんは60歳。日本語が達者だ。私たちは徐さんの車、…

韓国食べ歩き:第23回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 夕食の韓定食 夕食は韓定食にした。 ご飯、味噌汁、キムチのほかに、イシモチ、アサリ、ダイコンの入ったチゲ(鍋)、青菜とワラビ、ズイキのナムル、煮魚、トウガラシをきかせたサトイモの煮物、タコとシュン…

韓国食べ歩き:第22回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 日本と韓国の違い 韓国では肉を煮る料理も発達しているし、干肉もよく食べられる。 焼肉、煮肉、干肉、生肉という肉料理のバリエーションの広さが、ユーラシア大陸の牧畜民の世界、言葉を替えれば、肉食文化圏…

韓国食べ歩き:第21回

(『あるくみるきく』1987年1月号 所収) 野菜料理と牛肉料理 ソウルから光州(クワンジュ)に舞台を移して、さっそく私たちの食べ歩きがはじまった。列車内で昼食の弁当を食べていたので、軽い食事をしようと、中心街にとった宿の近くの食堂に入った。…

シルクロード横断:第46回 ドーバヤジット

トルコ東部、イランとの国境に近いドーバヤジットでは、午前中は町中をプラプラ歩いた。楽しい町歩きだった。 町には活気があふれている。 魚屋には鮮魚が並んでいる。トルコでは魚がよく食べられる。八百屋の店先に並ぶトマトは色鮮やか。うまそうなトマト…

シルクロード横断:第45回 タブリーズ→ドーバヤジット

2006年10月2日午前6時、起きるとすぐに、タブリーズの町を歩く。夜明けのすがすがしい空気を吸いながらの町歩きは気持ちいい。 「タブリーズ・インターナショナル・ホテル」に戻ると朝食。ハニーとクリームを混ぜ、それをナンにつけて食べる。トロッ…

秘湯めぐりの峠越え:第8回 花山峠編(宮城・秋田)

(『遊ROAD』1993年12月号 所収) 仙台藩花山村寒湯番所 東京出発は午前11時。国道254号(川越街道)を行き、和光ICから東京外環道に入る。そして川口JCTから東北道へ。 抜けるような青空のもと、250ccのツーリング用バイク、スズキ…