賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

シルクロード横断:第53回目 アンカラ→イスタンブール

 2006年10月10日。この日はいつもより早い出発。まだ暗い5時前には起き、5時30分にはホテルの朝食を食べる。

 我ら「シルクロード軍団」、最後の「目指せ、イスタンブール!」の掛け声をかけ、6時には走り出した。

 スズキDR-Z400Sでアナトリア高原を駆け抜け、一路、ゴールのイスタンブールを目指す。標高1570メートルのアクヤルマ峠では、霧の峠道でのトラック事故に巻き込まれ、延々とつづく大渋滞に巻き込まれるといったハプニングもあった。

 E89からE80へ。ボルの町を過ぎ、標高900メートルのボルダギ峠を越えると、スーッと高度を下げていく。アナトリア高原が尽きたのだ。

 街道沿いのレストランでピラフ、肉&野菜料理、スープの昼食を食べ、アダパザリ、イズミット、ゲブゼといった町々を走り抜け、14時、アジアとヨーロッパを分けるボスポラス海峡に到着した。

 我ら「シルクロード軍団」、イスタンブール到着を祝して大声で「万歳!」を叫びあった。東京を出発してから54日目のことだった。

 中国の天津からイスタンブールまでは12657キロ。天津から西安まではバスだったので、DR-Z400Sで走った距離は11407キロ。ノントラブルで走りきったDRには「よくやった!」と声を掛けた。

 我々は通関業者の倉庫にバイクを入れると、バスでボスポラス海峡を渡り、イスタンブールの中心街にある「セディホテル」へ。まずはボスポラス海峡の見えるベランダでみなさんと何度もビールで「乾杯!」、また「乾杯!」。「乾杯!」を繰り返すたびに、イスタンブール到着の喜びをかみしめた。

 そのあとタキシム広場にくり出し、カバブーの店へ。「カバブーパーティー」の夕食を終えると、今度はトルコの蒸留酒、ラキを飲みながらの「ラキパーティー」。ラキに酔い、足腰が立たないくらい飲んだところで「ラキパーティー」はお開きになった。

5599、アナトリア高原を行く

アナトリア高原を行く

5596、アナトリア高原で「万歳!」

アナトリア高原で「万歳!」

5612、ボスポラス海峡だ!

ボスポラス海峡だ!

5614、イスタンブールに到着!

イスタンブールに到着!