シルクロード横断:第55回目 イスタンブール
ボスポラス海峡探訪のあとは、バスツアーでイスタンブールをまわった。
まずは「アヤソフィア寺院」だ。「アヤ」とは「聖なる」の意味のギリシャ語。英語風にいえば「セントソフィア寺院」になる。
325年にローマ皇帝のコンスタンチヌスによって起工されたこの建物はギリシャ正教の大本山だったが、1453年にコンスタンティノープル(イスタンブール)が陥落した後はイスラム教寺院に変り、今は建物全体が博物館になっている。
次に「スルタン・アフメット・モスク」に行く。「ブルーモスク」で知られているが、イスタンブールを象徴するかのような壮大なモスク(イスラム教寺院)だ。6本ものミナレット(尖塔)を持っている。これはイスラム教第1の聖地、カーバ神殿の7本に次ぐ本数(ミナレットの本数はモスクの格を表している。一歩、その中に入ると、天井一面に張られたタイルの青さに目が染まりそう。まさにブルーモスクだ。
最後にトプカプ宮殿に行った。東ローマ帝国を滅ぼし、オスマントルコを打ち立てたメフメット王が、1564年から15年の歳月をかけて造営した宮殿。それ以降、350年間、オスマントルコの王たちが代々住む宮殿となった。1923年のケマル・アタチュルクの革命以降は博物館になっている。
その展示がすごい。
ダイヤを無数に散りばめた玉座や数多くの宝石類には目を奪われる。宝石のみならず、中国製陶磁器も見事なものだ。それに隣あって日本の伊万里焼のコーナーもあった。赤絵の壷や皿などの「古伊万里」が展示されていた。そこの説明書には次のように書かれていた。
「このコレクションは17世紀から19世紀にかけて日本から輸出されたもので、九州の有田でつくられました。伊万里焼で知られていますが、有田に近い伊万里から船積されたので、その名があります」
薄暗い宮殿を出、展望台に立つと、ボスポラス海峡が広がっている。青い海峡を見ていると、たまらない気分になってくる。アジア東端の日本とアジア西端のトルコ。「古伊万里」を通して、その両者に想いを馳せるのだった。
バスツアーでイスタンブールをめぐる
アヤソフィア寺院
カソリ、トプカプ宮殿にやってきた女学生たちにオオモテ!