賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

シルクロード横断:第49回 エルジンジャン→シバース

 エルジンジャンからはE80→E88でシバースに向かった。

 その途中では2つの2000メートル級の峠を越えた。最初の峠は標高2160メートルのサカルトゥタン峠。2番目の峠は標高2190メートルのキジルダッグ峠。

 峠はトルコ語では「ゲジディ」になる。サカルトゥタン峠だとサカルタン・ゲジディ、キジルダッグ峠だとキジルダッグ・ゲジディになる。

 ともにアナトリア高原の峠なので、2000メートルを超えるといっても、それほどの高さは感じない。

 キジルダッグ峠の「キジル」は「赤い」を意味する。「ダッグ」は「山」を意味する。つまりは「赤い山」。その峠名の通りで、峠を越えると、まわりの山々は燃えるような、真っ赤な山肌をした山になる。山肌に樹木はまったくない。乾燥しきった山岳風景。強烈な眺めだ。

 その「赤い山」が途切れると、今度は目のさめるような青石の露出した山になる。赤と青のコントラストが、どぎついほどの色鮮やかさだった。まさに原色の世界。

 峠を下ると、黒海に流れ出るキジルイルマク川に沿った道になる。

 キジルイルマック川だが、「キジル」はさきほどキジルダッグ峠同様、「赤い」を意味する。「イルマック」は「川」の意味。キジルイルマック川というと「赤い川川」になってしまうが、このような例はいくらでもあるので、そのままキジルイルマック川としておこう。

 キジルダッグ峠は名前通りの「赤い山」だったが、キジルイルマック川の方は「赤い川」ではなく、青々とした流れだった。

 エルジンジャンから252キロ走り、14時、シバースに到着。町の中心街の「コスクホテル」に泊まる。部屋に荷物を置くと、さっそく町の探訪。市場を歩いた。ブドウやザクロが山積みにされていた。

 夕食は町中のレストランで。黒ダイの焼き魚を食べた。魚がよく食べられるトルコらしい夕食だ。夕食後は我ら「ハマム同盟」、連夜のハマムに繰り出すのだった。

※管理人コメント:

「赤い山」の「キジルダッグ」ですが、正確な発音は「クズルダア」とのことです。詳細はコメント欄をご覧ください。

5530、E88を行く

E88を行く

5532、シバースの目抜き通り

シバースの目抜き通り

5535、市場を歩く

市場を歩く

5536、ハマムの外観

ハマムの外観