賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

シルクロード横断:第34回 サマルカンド

シルクロードの要衝、サマルカンドには1日、滞在した。 中国の西安からここまで6619キロを走った。そこで午前中はスズキDR-Z400Sの整備。オイル交換をし、エアークリーナーのエレメントを掃除したり、チェーン調整をしたり、砂漠の砂にやられて…

韓国食べ歩き:第4回

(『あるくみるきく』1987年 所収) 喫茶の伝統 朝食後、街をプラプラ歩いた。 目についたのが「チーチャ」(葛茶)を飲ませる屋台。さっそく味わってみた。 丸太のようなクズの根を圧縮機でぎゅっと絞り、そのままコーヒー茶碗に入れて飲む。クズ根の汁…

韓国食べ歩き:第3回

(『あるくみるきく』1987年 所収) 箸と匙 ソウル到着の翌朝は、早朝の市場を歩きまわり、朝食も市場内の食堂で食べた。 ご飯に味噌汁、キムチが3種、カボチャとタチウオの天ぷらというメニューだった。 ご飯と味噌汁はステンレス製の器に入っている。…

韓国食べ歩き:第2回

(『あるくみるきく』(1987年1月号 所収) ソウルの焼肉店 私たちは夕暮れの街に出かけていった。まずは夕食だ。 鼻を利かせて何軒もの食堂をのぞいてまわったが、すこしでもおいしそうな店、すこしでも雰囲気のよさそうな店…をと探しまわる神崎さんの…

シルクロード横断:第33回 タシケント→サマルカンド

中央アジアの3ヵ国目、ウズベキスタンの首都タシケントを歩く。 さすが中央アジアの大都市だけあってトラム(市電)が走り、地下鉄が通っている。タシケントの地下鉄は中央アジアでは唯一のもの。人口は200万人を超える。 「シルクロード」から受ける印…

カソリメール届きました。

カソリからメールが届きましたので転記します。 ~~~~ 昨日(7月25日)、「300日3000湯」の単行本、 上下巻の初校を戻しました。 ほっとした気分です。 昭文社刊の2冊で、 『賀曽利隆の300日3000湯 日本一周」(上) 『賀曽利隆の30…

カソリの峠越え(7) 九州編(7):五木の峠 (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1998年2月号 所収) 今回からの峠越えの舞台は南九州だ。その第1弾は「おどま盆ぎり盆ぎり‥‥」の『五木の子守唄』で知られる熊本県の五木。まわりをぐるりと山々に囲まれた五木は峠の宝庫のようなところで、四方八方へ何本もの峠…

日本列島岬めぐり:第8回 とどヶ崎(岩手)

(共同通信配信 1990年) 「みなさん、本州の最東端って、どこですか?」 と、クイズを出してみたくなるほど、本州最東端の岬は知られていない。 答えは重茂半島のとどヶ崎だ。 三陸海岸を貫く幹線の国道45号を北上し、カキやホタテの養殖が盛んな山田…

日本列島岬めぐり:第7回 御崎(おさき・宮城)

(共同通信配信 1990年) 唐桑半島突端の御崎まで行く前に、日本でも有数の遠洋漁業の基地である気仙沼漁港に立ち寄った。 港では遠洋マグロ漁船の完成祝いを見た。新造船は大漁旗を満艦飾にひるがえらせ、ボリュームをいっぱいに上げたスピーカーから大…

日本の東西比較(食文化編)

東日本と西日本の比較というのは、じつにおもしろいものがある。 その東西の比較を食文化でみてみた。 (項目) (東日本) (西日本) 納豆 糸引き納豆 乾燥納豆 麦こがし 麦こがし はったい粉 正月魚 サケ ブリ 餅 切り餅 丸餅 雑煮 澄まし汁 味噌汁 味噌 …

カソリの峠越え(6) 九州編(6):大分県の峠 (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1996年11月号 所収) 九州の峠越え、第6弾は大分県の玖珠盆地や日田盆地周辺の峠だ。 大分を出発し、国道210号で水分峠を越え、九州最大の川、筑後川の水系に入っていった。まず最初は玖珠盆地周辺の峠を越え、次に日田盆地周…

カソリの峠越え(5) 九州編(その5):大分・宮崎県境の峠 (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1996年10月号 所収) 九州の峠越え、第5弾目は、大分・宮崎県境の峠。 「阿蘇の峠」を終えたあと、国道57号で熊本県から大分県に入り、竹田盆地の中心、竹田の町に出た。 竹田は胸にキューンとしみるようないい町だ。大分と熊…

シルクロード横断:第32回 タラズ→タシケント

カザフスタンは旧ソ連の中央アジア5ヵ国の中でも、圧倒的に大きい。面積は272万平方キロで日本の7倍以上もの広さ。首都は北部のアスタナに移ったが、実質的な首都は中国&キルギス国境に近いアルマティで、それ以前の首都だった。中央アジアではウズベ…

シルクロード横断:第31回 ビシュケク→タラズ

キルギスの首都ビシュケク。早朝の町を歩く。さわやかな透き通る空気。朝日を浴びた天山山脈の雪山が目に残る。北緯43度の町で日本でいえば札幌といったところか。今回の「シルクロード横断」ルートでは、このあたりが一番、北になる。 ビシュケクの人口は…

カソリが選ぶ「ニッポン郷土料理」(13)北海道編

249、石狩鍋(北海道) 北海道の食文化をひとことで言い切ってしまうと“鮭食文化”ということになる。それだけに北海道のサケ料理の種類は多彩で、きわめて発達している。サケはアイヌ語で“カムイ・チェプ(神の魚)”。北海道でのサケの重要性を見事に表し…

カソリが選ぶ「ニッポン郷土料理」(12)東北編

223、じゃっぱ汁(青森) 東北の食文化は“鍋文化”といっていいほどで、鍋料理が発達している。冬の寒さの厳しい東北にあっては各種鍋は体があたたまるだけでなく、家族全員で鍋をつっつくことによって連体感が生まれ、家族の絆が強まるといった効果もある…

カソリが選ぶ「ニッポン郷土料理」(11)関東編

202、アンコウ鍋(茨城) 茨城県の海岸地方であれば、アンコウはそう珍しいものではない。だが、その本場といえば北茨城。福島県との県境に近い大津港や平潟港の底引き網漁の漁港に水揚げされる。 アンコウがうまいのは冬。11月から4月ごろまでが食べ…

シルクロード横断:第30回 イシククル湖→ビシュケク

2006年9月16日、夜中に激しい雷雨が降った。朝、起きるとすぐにイシククル湖まで行くと、雨は上がり、雲の間から天山山脈が見えている。湖に突き出た桟橋で釣りをしている人がいる。パン&バター、チーズ、オートミールの朝食を食べ、9時、出発。イ…

「宮本常一」の故郷を訪ねて

(『旅』1997年6月号 所収) 1997年3月28日。東京駅7時07分発の「ひかり33号」博多行きに乗って、広島に向かった。柳田国男をしのぐともいわれるほどの民俗学者であり、また、生涯を通して4000日以上も日本国内を旅された偉大な旅人で…

カソリが選ぶ「ニッポン郷土料理」(10)中部編(その3)

171、アジ(静岡) 沼津のアジのひらきは最高にうまい。「どうしてこんなにうまいんだ!」と声が出るほど。宿の朝食に出ると、朝から食欲モリモリ状態になる。沼津は全国一のアジの干物の生産量を誇っているが、この味のよさは長年の伝統に培われたもの。…

シルクロード横断:第29回 ナリン→イシククル湖

ナリンではキャンプ地の宿舎に泊まったが、朝はいつものように7時には起きる。新疆の7時というとまだ真っ暗だったが、中国とは2時間の時差のあるキルギスではすっかり明るくなっている。 朝食はパンとバター、チーズ、オムレツ(卵のみ)。全員で取り分け…

シルクロード横断:第28回 カシュガル→ナリン

2006年9月14日、いつものように7時に起き、シャワーを浴びたあと、まだ暗いカシュガルの町を歩く。ナンをつくって売るナン屋が暗いうちから店をあけている。町を歩いている途中で夜明け。早朝のすがすがしい空気を吸いながらさらにカシュガルを歩い…

カソリの峠越え(4) 九州編(その4):阿蘇の峠 (Crossing Ridges in Japan: Kyushu Region)

(『月刊オートバイ』1996年9月号 所収) 阿蘇は世界一の火山だ! 外輪山に囲まれた東西18キロ、南北24キロにもおよぶ大カルデラの中には、いくつもの町や村がある。広々とした水田もある。鉄道も走っている。 その中央には、高岳、中岳、搗島岳、烏帽…

日本列島岬めぐり:第6回 黒崎(くろさき・宮城)

(共同通信配信 1990年) 旧北上川河口の石巻からコバルトラインで牡鹿半島に入り、半島最南端の岬、黒崎に向かった。 牡鹿半島は北上山地の南の果て。地図で見ると、身をむしりとられて骨だけになった魚のような格好をしている。コバルトラインはそんな…

韓国食べ歩き:第1回

(「あるくみるきく」1987年1月号、所収) ソウルの「エメラルド・ホテル」 1986年8月25日。成田発15時25分発の大韓航空KE703便は、成田を飛び立ってから2時間もかからずに、ソウルのキンポ(金浦)空港に着陸した。東京から北海道や…

日本列島岬めぐり:第5回 塩屋崎(しおやざき・福島)

(共同通信配信 1990年) 太平洋岸の国道6号を北上。茨城県から福島県に入ったところで、小高い丘の上にある「勿来の関址」に寄っていく。ここは白河、念珠と並ぶ「奥州の三関」。「勿来」の2文字に、みちのくに入ったという実感が胸にこみあげてくる…

日本列島岬めぐり:第4回 鵜ノ岬(うのみさき・茨城)

(共同通信配信 1990年) どこを見ても、「HITACHI」一色の企業城下町の日立から、国道6号を北上して鵜ノ岬へ。 断崖絶壁の岬の北側は伊師浜海岸。長い砂浜がつづく絶好の海水浴場になっている。季節は夏。海水浴場は大勢の人たちでにぎわってい…

日本列島岬めぐり:第3回 犬吠埼(いぬぼうざき)

(共同通信配信 1990年) 「銚子ぱずれ」の犬吠埼に行く前に、刑部(ぎょうぶ)岬に立った。足元には飯岡の街並みが広がり、その向こうには九十九里の長い砂浜が果てしなく延びている。 刑部岬から銚子半島に入っていく。半島最高所の愛宕山(74m)頂…

シルクロード横断:第27回 カシュガル(その2)

2006年9月13日、この日は一日、カシュガル滞在。その1日をフルに使って、「シルクロード軍団」のメンバー、斉藤さん、石井さんと一緒にタクシーをチャーターし、パミール高原のカラクリ湖まで行くことにした。以前、行ったことのある斉藤さんから、…

シルクロード横断:第26回 カシュガル(その1)

2006年9月12日、我ら「シルクロード軍団」は中国西端の町・カシュガルに到着すると、町の中心エイティガール広場で全員集合の記念撮影をした。 1798年に創建されたというイスラム教寺院、エイティガール寺院前の広場には中国各地や外国からの観光…