賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅

カソリの島旅(33)奥尻島(北海道)

(『ジパングツーリング』2001年12月号 所収) 羽幌から「オロロンライン」の国道232号を南下。 日本海を右手に見ながら走る。羽幌では一面の雲だったが、留萌を過ぎ国道231号を南下していくと、パーッと青空が広がった。 雄冬岬近くの岩尾温泉…

カソリの島旅(32)天売島(北海道)

(『ジパングツーリング』2001年12月号 所収) 焼尻島の次は天売島島だ。 焼尻港14時10分発の羽幌沿海フェリー「おろろん2」で天売港へ。 ここではなんと、2000年、一緒にサハリンを走った「サハリン軍団」の竹澤裕介さんと藤元隆憲さんに出…

カソリの島旅(31)焼尻島(北海道)

(『ジパングツーリング』2001年12月号 所収) 礼文島、利尻島と北の2つの島をめぐって稚内港に戻ってきた。なつかしの稚内港‥。ここから2度、サハリンに渡った。最初は1991年。ドーム前の岸壁からロシア船「ユーリー・トリフォーノフ号」にバイ…

カソリの島旅(30)利尻島(北海道)

(『ジパングツーリング』2001年11月号 所収) 礼文島の香深港から東日本海フェリーの「アインス宗谷」(2267トン)で利尻島の鴛泊港に渡った。 この「アインス宗谷」は、なつかしの船。2000年の「サハリン縦断」のとき、稚内からサハリン南部…

カソリの島旅(29)礼文島

(『ジパングツーリング』2001年11月号 所収) 5時30分、岩尾別温泉を出発。知床半島からオホーツク海沿いに走り、本土最北端の宗谷岬を目指す。天気は一変し、一面の鉛色の空。冷たい雨がシトシトと降っている。 宇登呂から斜里へ。その途中では海…

カソリの島旅(28)国後島(北海道)

(『ジパングツーリング』2001年11月号 所収) 根室から知床半島の玄関口、標津へ。 標津に着くと、まずは浜に立ち、根室海峡の向こうの国後島を眺める。面積1500平方キロの日本第2の大島だ。千島列島の中では第3位。標津からは国後島の南端あた…

カソリの島旅(27)貝殻島(北海道)

(『ジパングツーリング』2001年11月号 所収) 2001年6月14日、梅雨空の最中、茨城県の大洗港から商船三井フェリーの苫小牧行き「さんふらわあ つくば」(1万2325トン)に「島編日本一周」の50㏄バイク、スズキSMX50ともども乗り込…

カソリの島旅(26)佐渡島(新潟)その2

(『ジパングツーリング』2001年10月号 所収) 佐渡の2日目。 今日はよく晴れている。うれしい! 住吉温泉「みなみ旅館」では、まず寝起きの朝風呂に入り、それから朝食。佐渡特産の海草イゴ(エゴ)を練り固めたイゴネリが出た。さっぱりした味わい…

カソリの島旅(25)佐渡島(新潟)その1

(『ジパングツーリング』2001年10月号 所収) 新潟到着は19時30分。新潟駅前から信濃川河口の佐渡汽船のターミナルビルへ。 最終のフェリーまではまだ時間があるので、ターミナルビル8階の展望レストラン「シェルブール」で夕食にした。 「島旅…

カソリの島旅(24)粟島(新潟)

(『ジパングツーリング』2001年10月号 所収) 朝のテレビで天気予報を見ると、全国的に雨‥。そのなかにあって、岩船港のこのあたりはまあまあの天気なのがうれしい。雲は多いが、薄日がさしている。 8時、朝食。キスとクロガレイの焼き魚が出た。民…

カソリの島旅(23)飛島(山形)

(『ジパングツーリング』2001年10月号 所収) 国道7号沿いの宮海温泉「ゆうゆう」で迎えた夜明けの風景は、すばらしいものだった。 朝日が鳥海山の右手に昇る。目の前を流れる日向川がキラキラ光っている。この川は鳥海山から流れ出ている。国道7号…

カソリの島旅(22)帆掛島(秋田)

(『ジパングツーリング』2001年10月号 所収) 秋田県北部、八森漁港での夜明け。4時には目がさめ、すばやくテントを撤収し、4時15分には出発だ。旅の毎日は、まるで機械のような正確さで、夜明けととも目がさめる。 国道101号で能代へ。 途中…

カソリの島旅(21)弁天島(青森)

(『ジパングツーリング』2001年10月号 所収) 「本州東部編」は太平洋経由の「東京→青森」と、日本海経由の「青森→東京」の2パートに分けて走った。前回までが前半戦の「東京→青森」で、今回からが後半戦の「青森→東京」ということになる。 青森では…

カソリの島旅(20)大島(青森)

(『ジパングツーリング』2001年9月号 所収) 大島から気仙沼港に戻ると、「岬めぐり」を開始だ。 唐桑半島突端の御崎までいく。岬への入口には御崎神社。岬に神社はつきものだ。岬の周辺にはまだ椿の花が咲いていた。 岬の灯台の先には、黒色粘板岩の…

カソリの島旅(19)大島(宮城)

(『ジパングツーリング』2001年9月号 所収) 気仙沼港に到着したのは12時ジャスト。大島に渡る12時27分発「フェリー大島」の出港時間まですこし時間があったので、フェリーターミナル内の「八東苑」で昼食にした。カニ、エビ、ホタテ、イカ入り…

カソリの島旅(18)出島(宮城)

(『ジパングツーリング』2001年9月号 所収) 金華山から鮎川港に戻ると、牡鹿半島東岸の道を行き女川へ。 女川原子力発電所近くを過ぎ、女川湾の海岸に出ると、これから渡る出島がよく見えた。 牡鹿半島のつけねの町、女川に着くと、港に急ぐ。ちょう…

カソリの島旅(17)金華山(宮城)

(『ジパングツーリング』2001年9月号 所収) 石巻から牡鹿半島に入り、田代島、網地島を眺めながら走り、かつては日本の捕鯨基地としておおいに栄えた鮎川に到着。 鮎川の捕鯨は昭和20年代後半がピークで、年間6000頭ものクジラが水揚げされた。…

カソリの島旅(16)網地島(宮城)

(『ジパングツーリング』2001年9月号 所収) 田代島の仁斗田港から、9時35分発の高速船「ブルーライナー」(網地島ライン)で網地島に渡った。島の北、網地浜港までは15分。 船賃は人が330円。スズキSMX50が920円。 港周辺はすばらし…

カソリの島旅(15)田代島(宮城)

(『ジパングツーリング』2001年9月号 所収) 国道45号で石巻に到着すると、旧北上川河口の石巻港へ。ここから「網地島ライン」の高速船「ブルーライナー」で田代島から網地島へと渡るのだ。 「網地島ライン」で乗船手続きをしていると、「カソリさん…

カソリの島旅(14)松島(宮城)

(『ジパングツーリング』2001年9月号 所収) 寒風沢島から石巻港に戻ると、国道45号で“日本三景”の松島へ。 駐車場にスズキSMX50を停め、徹底的に松島を歩いた。松島湾の浦戸諸島の島々を見てまわったあとだけに、今回は特別な思いで松島を見て…

カソリの島旅(13)寒風沢島(宮城)

(『ジパングツーリング』2001年9月号 所収) 利根川を渡って茨城県に入る。夜の鹿島神宮を参拝し、国道51号で大洗へ。大洗港で室蘭、苫小牧行きのフェリーを見たあと、海岸で野宿。月に照らされた太平洋がキラキラ輝いて揺れていた。 翌日は国道6号…

カソリの島旅(12)仁右衛門島(千葉)

(『ジパングツーリング』2001年9月号 所収) 2001年5月10日午前6時、東京・日本橋にスズキSMX50とともに立った。 見送りにきてくれた何人かのみなさんとしばし話したあと、6時半、走り出す。目指すは青森だ。 まずは国道14号で千葉へ…

カソリの島旅(11)父島(東京)

(『ジパングツーリング』2001年8月号 所収) 12時発の「ははじま丸」で母島から父島の二見港へ。 前日とはうってかわって海は大荒れに荒れている。波が高い。「ははじま丸」は波をよけるためなのだろう、ジグザグに進んだ。 このような大荒れの天気…

カソリの島旅(10)母島(東京)

(『ジパングツーリング』2001年8月号 所収) 「伊豆諸島編」を終え、「小笠原諸島編」に出発したのは2001年4月20日。小笠原海運の「おがさわら丸」(6679トン)にスズキSMX50とともに乗り込んだ。 東京港・竹芝桟橋を出港したのは午前…

カソリの島旅(9)八丈島(東京)

(『ジパングツーリング』2001年8月号 所収) 「伊豆諸島編」の前半戦では、伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島の5島を巡り、いったん東京に戻った。それにひきつづいての「伊豆諸島編」の後半戦の開始。出発は2001年4月9日。難問だらけの「…

カソリの島旅(8)神津島

(『ジパングツーリング』2001年7月号 所収) 神津島 式根島の民宿「鈴豊」で朝食を食べる。夕食にはメジナの刺し身と煮魚が出たが、朝食にはカワハギの仲間のウスバハギの焼き魚が出た。魚が大好きのカソリなので、朝からうまい魚を食べられてご機嫌だ…

カソリの島旅(7)式根島

(『ジパングツーリング』2001年7月号 所収) 式根島 「伊豆七島」というと、伊豆大島、利島、新島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島の7島で、その中に式根島は含まれない。式根島を入れて「伊豆八島」という場合もあるらしい。また「伊豆五島」という…

カソリの島旅(6)

(『ジパングツーリング』2001年7月号 所収) 新島 新島は南北に細長い島で、島一周の道はない。そこで新島港に着くと、新島の中心、本村からまずは北へ。全長739メートルという長い新島トンネルを抜け、北端の集落、若郷まで行った。10キロほどだ…

カソリの島旅(5)

(『ジパングツーリング』2001年7月号 所収) 利島 伊豆大島から東海汽船の「さるびあ丸」で渡った利島はまさに「椿の島」。全島が椿で覆われている。その数は数十万本といわれ、椿油の生産は日本一。 利島は伊豆諸島の中でも最小の島で人口300人。…

カソリの島旅(4)

(『ジパングツーリング』2001年7月号 所収) 伊豆大島 ぼくは1999年の4月から11月にかけて、スズキDJEBEL250GPSを走らせ、全行程が4万キロの「日本一周」をなしとげた(そのときのことは昭文社刊の『日本一周バイク旅4万キロ・上…