カソリの島旅(30)利尻島(北海道)
(『ジパングツーリング』2001年11月号 所収)
礼文島の香深港から東日本海フェリーの「アインス宗谷」(2267トン)で利尻島の鴛泊港に渡った。
この「アインス宗谷」は、なつかしの船。2000年の「サハリン縦断」のとき、稚内からサハリン南部のコルサコフまで乗った船なのだ。思わず一緒にサハリンを走った「サハリン軍団」の面々の顔を思い浮かべた。
鴛泊港到着は14時25分。香深港から40分の船旅だ。
鴛泊港の岸壁に降りるとすぐに、利尻島を反時計回りで一周する。利尻島は円形の島で、中央に利尻富士で知られる島の最高峰、利尻山(1721m)がそびえ、道道105号と108号で島を一周できる。 まず最初は最北端の富士岬に立つ。岬近くの富士野園地にはエゾカンゾウの黄色い花が咲いていた。
次に最西端の沓形岬に立つ。沓形港近くの岬でキャンプ場がある。
次に最南端の御崎。ここからは利尻富士がよく見えるとのことだが、残念ながら中腹から上は雲の中だった。
鬼脇の温泉「北のしーま」(入浴料400円)の湯に入り、最後に最東端の石崎に立った。ここには赤白2色に塗る分けられた石崎灯台が立っている。こうして63キロの「利尻島一周」を終え、鴛泊港に戻ってきた。
鴛泊港に戻ったところで宿探し。ところがどこも満員だ。唯一、ユースホステルの「利尻ぐりーんひる」があいていたので宿泊を頼んだ。ぼくはユースの会員ではないので、宿泊料金はけして安くない。素泊まりで4095円。
夕食をすませていこうと、すし屋で上のにぎり(1500円)を食べたが、店の雰囲気はよくないし、うまくもないし‥で、散々だ。
「セイコーマート」でカレー弁当(390円)を買って食べなおした。
利尻山に登るので、登山用にパン2個とおにぎり4個、チョコレート、ポカリスエットを買ってユースホステルに行く。利尻山登山に備え早々と寝た。
翌朝は4時に出発。鴛泊港前のペシ岬で昇る朝日を眺めた。利尻山登山には絶好の天気。空が青い。
鴛泊から登山口へ。その間、5キロ。駐車場にSMX50を停め、4時15分、山頂目指して歩きはじめる。10人前後の登山者のグループを追い抜いていく。年配の人たちばかりで、そこには若者の姿はない。今や登山は中高年のものになった感がある。
4時30分、3合目に到着。ここには日本の名水100選にも選ばれている利尻富士の湧き水「甘露水」がある。水量豊かで、その名のとおり、甘味を感じる湧き水だ。
ここからが本格的な登山道になる。
4時50分、4合目。
5時15分、5合目。このあたりまでは順調だ。
5時45分、6合目。ここには樹林を抜け出たところに見晴台がある。
6時05分、7合目に到着。ここからがきつくなる。ガクッとペースが落ちる。
7時05分、8合目。
7時50分、9合目。
そして9時、ついに標高1721メートルの山頂に到達した。
4時間45分の登り。30分ほど頂上からの絶景を眺め下山した。
下りは2時間30分。
登山口近くの「利尻富士温泉」(入浴料400円)の湯につかり、疲れきった体をいやした。