カソリの島旅(17)金華山(宮城)
(『ジパングツーリング』2001年9月号 所収)
石巻から牡鹿半島に入り、田代島、網地島を眺めながら走り、かつては日本の捕鯨基地としておおいに栄えた鮎川に到着。
鮎川の捕鯨は昭和20年代後半がピークで、年間6000頭ものクジラが水揚げされた。20隻以上の捕鯨船が活躍し、浜には30軒以上ものクジラの解体屋が並んでいたという。今はその名残で、ここには鯨料館の「ホエールランド」がある。
スズキSMX50を港に置き、観光船で金華山に渡った。
金華山までは25分の船旅。牡鹿半島突端の岬、黒崎のすぐ近くを通っていくので、岬先端の岩場や高台の上に建つ灯台がよく見えた。
金華山周辺の海は寒流の親潮と暖流の黒潮がぶつかり合う境目で、日本有数の漁場になっている。
「みちのく山に黄金花咲く」
と詠まれた金華山に着くと、鹿のお出迎え。
黄金山神社まで松林の中を歩く。最後は息を切らせて急な石段を登り、黄金山神社に参拝した。
ほんとうは時間があれば、この島の最高峰の金華山(445m)に登りたかった。
「きんかざん」といったときは島で、「きんかさん」といったときは山をさすのだと教えられた。