賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(26)佐渡島(新潟)その2

 (『ジパングツーリング』2001年10月号 所収)

 

 佐渡の2日目。

 今日はよく晴れている。うれしい!

 住吉温泉「みなみ旅館」では、まず寝起きの朝風呂に入り、それから朝食。佐渡特産の海草イゴ(エゴ)を練り固めたイゴネリが出た。さっぱりした味わい。

 8時に宿を出発し、両津港へ。前日は佐渡島を8の字で一周したので、今日は佐渡島横断ルートを走るのだ。

 両津の市街地を走っていると、1台のバイクとすれ違った。そのバイクはUターンするなり、ぼくを追いかけてきた。

 な、なんと「伊豆諸島編」の伊豆大島で出会った「サハリン軍団」の竹澤裕介さんではないか。竹澤さんは1年間休職し、ヤマハのTT250Rで「日本一周」に旅立った。そんな竹澤さんと劇的な再会をはたしたのだ。

 両津港の岸壁で記念撮影。

 今日1日、竹澤さんと一緒に走ることにした。50㏄バイクについて走ってくれるという。まずは北の石名和木林道を走る。内海府の和木から峠を越えて石名に抜ける林道だ。 和木から和木川沿いに走り、峠道に入っていく。きつい登りだ。急坂を走りきり、林道完成の記念碑が立つ峠に到達したときは、思わず「万歳!」を叫んだほどだ。

 峠までの登りは地獄だったが、外海府の石名の集落までの下りは天国。この地獄のあとの天国もツーリングの醍醐味。石名和木林道は全線舗装だ。

 次にダート20キロの大倉黒姫林道を走り、外海府から内海府に戻った。

「内海府」、「外海府」の言い方も、いかにも歴史の古い佐渡島らしい。内海府は内海の海岸で、外海府が外海の海岸になる。中央部が「国中」だ。

 両津港に戻ると、『ツーリングマップル』にも出ている港前の食堂「スタミナ道場」で昼食。和定食(1300円)を食べた。

 午後の佐渡島横断はドンデン山越え。ところが行けたのはドンデン山の山頂近くまでで、その先、外海府までは残雪のために行き止まりになっていた。

 次に、「大佐渡スカイライン」を走る。島とは思えないようなすごいスカイライン。

 最後に3湯の温泉めぐりをした。

 両津港に戻ったのは20時30分。もう1日、佐渡島にいるという竹澤さんの見送りを受け、ぼくは21時30分発の新潟行き「おおさど丸」に乗り込んだ。

 新潟港到着は23時50分。

 24時に佐渡汽船ターミナルビル前を出発し、東京・日本橋までは一気走りをした。日本橋到着は12時10分だった。