賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

2013-01-01から1年間の記事一覧

『極限の旅 1971-72』電子書籍版、販売開始!

(管理人より) いよいよ発売開始となりました。ご吹聴、もしよろしければ支援買いと、何卒、何卒よろしくお願い申し上げます。(まだ「アフリカよ」を読み終わってないって? 積ん読も楽しいですよ~♪w) カソリ御大からの「電子書籍版あとがき」をもって…

『極限の旅』(山と渓谷社、1973年)その2

日本郵船のカラチ代理店に問い合わせると、長良丸の入港は予定よりもだいぶ遅れ、九月上旬になるという。ガッカリしたが、そうとわかればカラチなどにいることはできない。私にとって、都市ほど無味乾燥なところはないからだ。さっそく地面いっぱいに地図を…

『極限の旅』(山と渓谷社、1973年)その1

『極限の旅』賀曽利隆(山と渓谷社、1973年)「現代の旅」シリーズ 第一章 下痢と事故と神様と(アジア)Rangoon→Jiddah 長良丸は遅れる この前の旅は、一九六八年四月に出て、翌年十二月までの約二十ヵ月間、オートバイでアフリカを一周し、アフリカ三十四…

『極限の旅 1971-72』準備完了!

(管理人) 時間がかかってしまいましたが、ようやく『極限の旅』電子書籍版が手元を離れました。 電子編集作業に限って言えば『アフリカよ』が極限状態だったので、まぁ、苦労はしましたが2冊目でスムーズにいったところの方が印象にあります。 あさってく…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(57)

7月17日。唐桑半島の国民宿舎「からくわ荘」では夜明けとともに起き、1時間ほどかけて唐桑半島最南端の御崎を歩いた。 御崎には御崎神社が祭られ、そこから先は自然遊歩道になっている。岬突端への小道はうっそうと茂るタブやツバキなどの照葉樹林に覆わ…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(56)

鮎川に戻ると県道2号→県道41号で女川へ。高台上の病院の駐車場から大津波で全滅した女川の町を見下ろした。瓦礫はきれいに撤去され、人気スポットの「マリンパル」もすでに取り壊されて跡形もない。その中にひっくり返ったビルだけが残っていた。 女川か…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(55)

石巻から県道2号で牡鹿半島に入っていく。牡鹿半島の浦々はどこも大きな被害を受けたが、瓦礫はすでに撤去され、漁港の岸壁もかさ上げされているところが多い。 そのうちのひとつ、月浦は慶長18年(1613年)、伊達政宗の命を受けた支倉常長の一行がロ…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(54)

東鳴子温泉「初音旅館」の女将さんと若旦那に見送られて出発。一緒に泊まった古山夫妻とは「初音旅館」を出たところで別れた。2人は北へ、カソリは南へ。 スズキの650ccバイク、V-ストロームを走らせ、国道47号で古川に向かう。その途中、岩出山手前…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(53)

7月16日。東鳴子温泉「初音旅館」の夜明け。目をさますとすぐに温泉に入る。この寝起きの湯はたまらない。温泉の成分が一気に体中にしみこんでいくかのようだ。 湯から上がると、東鳴子温泉を歩くことにする。 国道47号の旧道沿いに温泉宿が建ち並んで…

『アフリカよ 1968-69 過剰な電子写真集』第一部(カラー写真編)、リリースです。

おしつけがましいようで本当に恐縮なのですが(インターネットでの課金のハードルって、いろいろな意味でやっぱり高いですしね)、カソリ+管理人積年のプロジェクトがようやく日の目を見ました。 コンテンツ容量が15MBもあり、諸般の事情で事実上の最低設定…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(52)

仙台港のフェリーターミナルに到着したのは13時30分。名古屋行きが出た後なので、フェリーターミナルはガラーンとしていた。苫小牧行きの乗船受付は16時からなので、北海道に向かう乗客はまだ来ていない。 誰もいない待合室でしばし北海道に夢を馳せる…

GW後半、スペシャル動画(『アフリカよ』電子書籍新版発売記念インタビュー)

GW後半も仕事(私事?)に邁進している管理人ですorz ご笑覧ください! 賀曽利隆『アフリカよ 1968-69 [電子書籍新版]』発売記念インタビュー(前半) http://youtu.be/ggO8K8KfQ48 賀曽利隆『アフリカよ 1968-69 [電子書籍新版]』発売記念インタビュー(後…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(51)

国道6号で福島県から宮城県に入ると山元を通り、亘理へ。 ここではJR常磐線亘理駅前にある郷土資料館(入館料200円)を見学。城を模した遠くからでも目につく建物。 館内の「亘理伊達家(伊達支藩)」のコーナーは興味深い。亘理は陸前浜街道の宿場町…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(50)

7月15日5時起床。蒲庭温泉「蒲庭館」の朝湯に入り、朝食を食べ、7時30分に出発。スズキの650ccバイク、V-ストロームを走らせ、相馬市の中心、中村の町並みに入っていく。 中村は相馬氏の城下町。明治維新後は原町(現南相馬市)に押されっぱなし…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(49)

南相馬市は4月16日に東電福島第1原発20キロ圏の規制線の変更により、ほぼ市内の全域に行けるようになった。そこで阿武隈山地の山麓を走る県道34号と旧陸前浜街道の県道120号、浜通りの幹線の国道6号、海沿いの県道255号と4本のルートで南相…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(48)

福島県太平洋側の浜通りは、東京電力福島第1原子力発電者の爆発事故によって、完全に南北に分断されてしまった。 国道6号の広野町と楢葉町の町境からいわき市の四倉に戻ると、迂回路で浜通りの南部から浜通りの北部に向かっていく。その迂回路というのは阿…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(47)

7月14日5時、いわき市の白米温泉「つるの湯」での目覚め。すぐさまトイレで出すものを出す。カソリにとって便秘はまったく無縁なもの。朝目覚めると、機械のように正確に出る。これは我が特技だ。 「(ツーリングの日々は日常とは時間が変るので)便秘に…

苦難の果て、Kindle版『アフリカよ』販売開始!!!

(管理人より) 寝ても覚めてもアフリカ。その数週間が、ようやく一段落です。 縦書レイアウト、ようやくVer12データを入れて、最後はカミさんのアカウントで購入してもらい、実機で確認できました。はぁああああ~~~~。 2013/04/24 22:00時点をもちまし…

Kindle『アフリカよ』購入された方へ(※現時点1名様)

サンプルではちゃんと縦書になり、ようやく右とじ形式にもできたので(バージョン10です!)、これでヤレヤレと思って自分で購入して確認したところ、第2章から後が全部横書き! しかも右とじ形式は存続なのでメッチャ変!! ・・・本当に申し訳ございません。 …

(管理人より)「アフリカよ」電子書籍新版、最後のむずかり状態。

(管理人より) ふたたび恐縮です。 「アフリカよ」の電子書籍新版、最後のむずかり状態でございまして、2013/04/23午前中時点でパブリッシュされたのですが横書き状態で、修正には数日かかるかと思われます。 または、このまま横書きのままいかざるを得ない…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(46)

7月13日18時、「スズキワールド新宿」を出発し、「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」の第2弾目を開始する。スズキの650㏄バイク、V-ストロームに乗って一路、北へ。 山手通りを走り、首都高に入る。 胸が高鳴ってくる。 「東北よ、待ってろよ!」 と、V…

(管理人より予告)

最近、すっかり更新が遅れ、申し訳ございません。 (あんまり原稿の弾薬もなかったんだけど・・・w) 現在、賀曽利隆の名著『アフリカよ』を40年ぶりに新装復刊("電子書籍新版"と仮題をつけていますが、良案がありましたらぜひご教示ください!)すべく、ここ…

日本食べある記(25)横浜の中華料理

(『市政』1995年12月号 所収) 中華街を歩く 横浜の中華街(チャイナタウン)は、神戸、長崎とともに“日本の三大中華街”といわれる。その中でも、現在、一番活況を呈しているのが横浜の中華街だ。 中華街の食べ歩きをしようと横浜に行き、JR根岸線…

日本食べある記(24)輪島のいしる汁

(『市政』1995年11月号 所収) 輪島の朝市 輪島を出発点にして、バイクで秋の能登半島を一周した。 輪島では早朝の町を歩き、漁港に行った。ちょうど、水揚げされた魚のセリがおこなわれていて、漁港はにぎわっていた。 セリが終わるころになると、海…

日本食べある記(23)阿蘇の高菜飯と団子汁

(『市政』1995年10月号 所収) 阿蘇の旅の出発点は立野 バイクで阿蘇をまわった。出発点は立野。阿蘇外輪山をぶち破るようにして流れ出る白川北岸の崖上の集落だ。 JR豊肥本線が走り、立野駅がある。鉄道は急勾配のために、ここではスイッチバック…

日本食べある記(22)与那国島の泡盛

(『市政』1995年9月号 所収) 日本最西端の地へ 日本最西端の島、八重山諸島の与那国島には,石垣島の石垣港から船で渡った。 午前10時、500トンのフェリー「よなくに」は、石垣港を出港。私はすぐさま甲板に上がり、八重山諸島の島々を眺めた。 …

日本食べある記(21)三国のタラと花らっきょう

(『市政』1995年7月号 所収) 九頭竜河口の三国へ 前回にひきつづいて、また福井にやってきた。今回は京福電鉄の三国芦原線に乗って九頭竜川河口の町、三国に向かうのだ。 JR福井駅に隣りあった京福電鉄の福井駅を出ると、1両のワンマンカーの電車…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(45)

3月20日。夜明けとともに雪の盛岡を歩いた。チラチラ雪が降っている。北上川にかかる開運橋を渡ったところでは凍った雪道に足を滑らせ、たてつづけに2度も転倒した。バイクでなくてよかった。 目抜き通りの商店街を抜け、南部藩20万石の盛岡城址を歩き…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(44)

岩手県から青森県に入ると、国道45号から海沿いの県道1号を行く。 JR八戸線の線路を渡ったが、すぐ近くの階上駅から八戸駅までは列車が動いている。太平洋岸では久々に見る運行中の鉄道。ピカピカに光っている線路が新鮮に見えた。 県道1号沿いでは海…

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(43)

翌朝は夜明けとともに起き、朝湯に入った。朝食は古山夫妻と一緒に食べた。 ひと晩中降った雪は明け方には止んでいて、まずはひと安心といったところだ。 朝食を食べ終わったところで古山夫妻と別れ、8時、「グリンピア三陸みやこ」を出発。ありがたいこと…