「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(45)
3月20日。夜明けとともに雪の盛岡を歩いた。チラチラ雪が降っている。北上川にかかる開運橋を渡ったところでは凍った雪道に足を滑らせ、たてつづけに2度も転倒した。バイクでなくてよかった。
目抜き通りの商店街を抜け、南部藩20万石の盛岡城址を歩き、花の季節にはまだほど遠い「石割桜」を見て盛岡駅前に戻った。
「東横イン」の「おにぎり&せんべい汁」の朝食を食べ、9時に出発。
いつもならば遅くても8時には出るのだが、出発時間を1時間遅らせたのは、すこしでも雪がとけてから走り出そうと考えたからだ。
9時出発は大成功。その間に天気が変わり、青空が広がり、日が差してくる。路面の凍りついた雪は早くもシャーベット状になっている。このあたりが、いくら寒いとはいえ、冬の雪と春の雪の違いだ。
盛岡駅前から国道4号に出ると、もう路面に雪はない。前日とはうってかわって、V-ストロームでの快適走行だ。
10時45分、花巻に到着。
花巻では宮沢賢治命名の北上川の「イギリス海岸」を見る。雪解け水を集めた北上川は増水しているので、ドーバーのホワイトクリフ(白い断崖)を連想させる「イギリス海岸」とはほど遠い風景。そのあと丘陵地帯にある「宮沢賢治記念館」(入館料350円)を見学した。ここでは地元のライダー、和田福助さんに出会った。
和田さんには「カソリさん、頑張って!」と応援され、「魚肉ソーセージ&リポビタンD」の差し入れをもらった。和田さん、ありがとう!
花巻からさらに国道4号を南下。
前沢では前沢温泉「舞鶴の湯」(入浴料500円)に入り、「牛の博物館」(入館料400円)を見学。そのあと博物館前のレストラン「ロレオール」で前沢牛を食べる。一番安いメニューの「前沢牛の南部鉄器焼き」を注文したのだがそれでも4000円…。
前沢では相馬で会った武内さん一家とのうれしい再会。
武内さん一家の乗った車と一緒に平泉まで走り、中尊寺を参拝した。そして平泉の駅前で武内さん一家と別れた。
18時、一関ICに到着。
東北道に入り、一路東京へ。東京までは一気に走るつもりでいた。
ところが宮城県に入り、仙台を過ぎた頃から雪が降り始めた。3月の東北は、最後の最後まで甘くはなかった。
白石を過ぎるとかなりの雪になる。またしても恐怖の雪の高速道路…。
必死の思いで国見峠を越えて福島県に入ったが、峠を下った国見ICで高速を降り、国道4号を南下した。
福島、郡山、須賀川と通り、雪が止んだところで白河ICで再度、東北道に入った。
関東に入ると見上げる夜空は一面の星空。24時、東北道の浦和料金所に到着。盛岡から542キロ。ここからは首都高→東名で神奈川県の伊勢原へ。
我が家に到着したのは2時過ぎ。V-ストロームでの全走行距離は2775キロになった。これにて「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」の第1弾目は終了だ。
「V-ストロームよ、雪にもアイスバーンにも負けず、ほんとうによく走ってくれた!」 夏にはまた、「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」の第2弾目をV-ストロームで走るのだ。
(了)
雪の盛岡城址
国道4号で花巻へ
花巻の「イギリス海岸」
前沢牛の「南部鉄器焼き」
平泉の駅前に到着!