「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(53)
7月16日。東鳴子温泉「初音旅館」の夜明け。目をさますとすぐに温泉に入る。この寝起きの湯はたまらない。温泉の成分が一気に体中にしみこんでいくかのようだ。
湯から上がると、東鳴子温泉を歩くことにする。
国道47号の旧道沿いに温泉宿が建ち並んでいる。
空をツバメが飛んでいる。
「初音旅館」は駅前温泉。目の前がJR陸羽東線の鳴子御殿湯駅だ。駅舎に入り、ホームを歩いた。東鳴子温泉というのはこの鳴子御殿湯駅周辺の田中温泉、新田中温泉、赤湯温泉、新赤湯温泉などの総称。大温泉地の鳴子温泉と違ってこじんまりとした温泉地。素朴さの漂う田園地帯の温泉、それが東鳴子温泉の魅力になっている。
旧道沿いの温泉街から新道の国道47号をまたぎ、荒雄川の河原に出る。鬼首の荒雄岳を源とする荒雄川は中流の岩出山あたりで江合川と名前を変え、最後は旧北上川に合流し、石巻で海に流れ出る。中流から下流にかけては大平野を造り出し、東北有数の水田地帯になっている。
1時間ほど東鳴子温泉を歩き、「初音旅館」に戻った。
さー、朝食だ。
干物や目玉焼き、胡麻豆腐などをおかずに三杯飯を食べる。何しろ、ご飯がおいしいので、いくらでも食べられる。朝食のあとは、お茶を飲みながら、女将さんの話を聞いた。女将さんの生まれ故郷は大崎市の中心の古川。旧鳴子町も合併して今では大崎市の一部になっている。女将さんの青春時代を過ごした古川の話を聞くのが、「初音旅館」に泊まったときのぼくの大きな楽しみなのだ。
東鳴子温泉「初音旅館」
国道47号の旧道
鳴子御殿駅
鳴子御殿駅のホーム
東鳴子温泉の温泉街
東鳴子温泉を流れる荒雄川
「初音旅館」の朝食