「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(11)
松川浦から海岸近くの県道38号を北上。相馬市から新地町に入ると、新地の火力発電所前を通るが、この石炭火力の発電所は操業を再開している。
かつての新地の町跡に到着。海沿いの町並みは消え去り、家々のコンクリートの土台だけが残っている。まるで遺跡の町跡を見るかのようだ。
JR常磐線の新地駅は跡形もない。震災2ヵ月後に来たときは流された線路や新地駅のグニャッと曲がった跨線橋が見られたが、それらはすべて撤去され、今ではどこが新地駅だったのかを探すのも難しい。駅前にあった巨大な瓦礫の山もなくなっている。
高さ21メートルの巨大津波に襲われた新地の海岸一帯では、100人以上のみなさんが亡くなった。今では家一軒、残っていない。まさに荒野といっていいような風景が広がっている。その中に立つと、もう言葉もない。
福島県道38号は県境を越えると宮城県道38号になるが、県境の手前の川にかかる橋は落下したままで通行不能。橋の落下した現場にカソリのVストロームと斉藤さんの車を止め、破壊された堤防越しに、しばし青い太平洋を眺めるのだった。
新地の被災地を行く。家一軒ない
県境近くの落下したままの橋
破壊された堤防越しに海を見る
山のように積み上げられた墓石
JR常磐線の線路跡
2011年5月11日の新地駅