賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

2008-06-14から1日間の記事一覧

『忘れられた日本人』再び:第2回

(初出:「ゴーグル」2006年7月号) 「偉大なる旅人」誕生の10ヵ条 宮本常一先生は瀬戸内海に浮かぶ周防大島に生まれた。1907年(明治40年)の8月1日生まれで、来年は生誕100年になる。先生が生まれたのは周防大島東部の旧家室西方村で、…

『忘れられた日本人』再び:第1回

(初出:「ゴーグル」2006年5月号) ライター、カソリの誕生 1968年4月、ぼくは2サイクル250㏄バイクのスズキTC250とともに、横浜港からオランダ船「ルイス号」に乗り込んだ。「アフリカ一周」を目指しての20歳の旅立ちだ。「日本を飛…

本を旅する(3):宮本常一『忘れられた日本人』

賀曽利隆「名倉探訪」(初出:『ジパングツーリング』2001年2月号) 我が師、宮本常一先生 「我に師なし、我に弟子なし」 と言いつづけてきた一匹狼のカソリだが、実は一人、師がいる。それは柳田国男をしのぐとさえいわれる偉大なる民俗学者の宮本常一…

六大陸食紀行:第10回 東南アジア・ラオス

(共同通信配信 1998年~1999年) 「インドシナ一周」で走ったラオスは忘れられない国だ。 首都のビエンチャンから北に400キロ走ると古都ルアンプラバンに着くが、市場を歩き、屋台で麺を食べ、メコン川の岸辺を歩いた。河港には何隻もの船がつな…

六大陸食紀行:第9回 東南アジア・タイ

(共同通信配信 1998年~1999年) 「インドシナ一周」の出発点タイのバンコクには一ヵ月以上滞在したが、その間は“現地食主義カソリ”の本領を発揮して、毎日、せっせとタイ料理を食べあるいた。 朝食で一番気にいったのはカオトムクン。カオトムとは…

六大陸食紀行:第8回 西アジア

(共同通信配信:1998年~1999年) 「50㏄バイク世界一周」のアジア編ではイスタンブールからカルカッタへと西アジアを横断したが、そこで一番よく食べたのものは主食のパンのナンである。 ナンは小麦粉に塩を加えて水でこね、それを半日ほど寝かせ…

⑤「サハラ往復縦断」(1987年~1988年)の「フローラ」

1987年12月21日、西アフリカ・マリのガオのキャンプ場にサハラ砂漠を越えてやってきた5台の車が到着。その中の1台はオランダ人女性フローラの乗ったフォルクスワーゲンのバンだった。うれしいフローラとの再会。 「ターキー(タカシのこと)、無事…

④「世界一周」(1971年~1972年)の「ベチャ」

1972年6月21日、毎日見慣れたイギリス・ノーベリーの町をあとにし、A23でロンドン市内へ。シートラベルセンターで、電話で予約を入れておいた船(イギリス→カナダ)のチケットを買い、A13でテムズ川河口のティルベリーに向かう。港に着くと、す…