賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

アフリカ縦断2013-2014(その9)

「ナイロビ→ケープタウン編」(9)

 タンザニアの国道1号を西へ、西へと走る。

 高原の町、イリンガを目指して走っていると、警官に止められた。スピード違反で捕まってしまった…。

 タンザニアでは集落内の速度制限は50キロ。集落の入口に50キロの道路標識が立っている。集落を出たところには50キロ解除の標識が立っている。それは知っていた。だが、まさかスピードガンでやられるとは…。

 78キロ出ていたとのことで28キロオーバー。罰金は30000シリング(約1800円)だ。現地の物価からいったらかなりの高額になる。

 国際免許証を提示し、罰金をその場で払い、領収証を兼ねた書類をもらい一件落着。日本の免許証に傷がつく訳でもないので、

「まあ、これもいい経験だ!」

 と半ば喜んだ。

 ところが、たてつづけに捕まってしまった。

 2度目は82キロで32キロオーバー。罰金はやはり30000シリングだという。このときはもうすでにタンザニアシリングは残り少なく、払えなかった。

「30000シリングも払えませんよ。ほらね」

 といって財布の中身を見せた。

 すると警官はドル払いでもいい、ドルなら20ドルだという。

 ここで警官との交渉開始だ。

「ぼくは日本からやって来ました。ナイロビからバイクで走り始めて、ここまで来たのです。これからマラウィ、ザンビアジンバブエボツワナナミビアを通って南アフリカケープタウンまで行きます。まだまだゴールは遠いし、お金もかかります。ということで…、半額の10ドルにまけてくれませんかねぇ~」

「う~ん、そうだな。確かにケープタウンは遠いな」

 警官は「よし、わかった」という顔をして、半額の10ドルにまけてくれたのだ。

「そのかわり、ペーパー(領収書を兼ねた書類)は出さないぞ」

 といって10ドル紙幣をポケットにねじ込んだ。

 その日はイリンガ郊外の「キンランザファーム」のキャンプ場に泊まった。

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タンザニアの国道1号を行く

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イリンガに到着

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ダルエスサラームからイリンガまでは501キロ

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イリンガのガソリンスタンドで給油

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イリンガの中心街。ジャカランダの花が咲いている

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イリンガ近郊の村の風景

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「キンランザファーム」に到着

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夕食のカレーライス