賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

アフリカ縦断2013-2014(その11)

「ナイロビ→ケープタウン編」(11)

 12月23日6時、ムベアの「マウントリビングストン ホテル」の朝食。スイカとパイナップルのジュースを飲み、フライドエッグ、ソーセージとパン、それとデザートのマンゴーとスイカを食べ、7時に出発だ。

 ムベアの町並みはザンビア国境に通じる国道1号から高台に登ったところにあるので、来た道を引き返し、国道1号に下った。T字の交差点に出ると左へ(右はザンビア国境への道になる)。国道1号を10キロほど戻ったウヨレで右折し、マラウィ国境に向かった。

 高原地帯を縫って走る。

 我が相棒のスズキDR-Z400Sは今日も快調だ。

 通り過ぎていく集落の周辺は一面のバナナ園。丘陵地帯の斜面は一面の茶畑になっている。タンザニアキリマンジャロ山麓でのコーヒーはよく知られているが、このように茶も栽培されている。

 ムベアから25キロ走るとマラウィ国境に到着。バイクを止めると、ワーッという感じでマネーチェンジャーたちが集まってきた。ここには両替所がないので、騙される危険を覚悟で替えてもらう。国境の闇のマネーチェンジャーに騙されるのは、これは世界共通のことなのだ。

 幸いたいしたトラブルもなく、マラウィのお金、クワチャを手に入れた。1USドルが400クワチャというレートで、1クワチャは約0・25円になる。

 タンザニアを出国し、マラウィに入国。出入国にかかった時間は約2時間。11時40分にマラウィに入ったのだが、1時間の時差があるのでマラウィ時間では10時40分になる。

 ケニアタンザニアウガンダの3国は旧英領東アフリカだが、マラウィとこれから向かっていくザンビア(旧北ローデシア)、ジンバブエ(旧南ローデシア)の3国は旧英領中央アフリカになる。

 東アフリカのスワヒリ語はマラウィに入ると、もうほとんど通用しない。

 国境近くの食堂で「シーマ」を食べたが、それは東アフリカのウガリとまったく同じもの。作り方も食べ方も同じだ。国境を越えるとこのように言葉が変わり、文化が変わり、民族が変わる。それが「国境越え」のおもしろさといったところだ。

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「マウントリビングストン ホテル」の朝食

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マラウィ国境への道

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集落の周囲のバナナ園

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山の斜面の茶畑

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国境のマネーチェンジャー

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昼食のシーマ