賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

秘湯めぐりの峠越え(58)伊勢神峠(愛知)

 (名古屋→稲武191キロ・取材日2000年7月7日)

 

 名古屋から国道153号で豊田、足助と通り、伊勢神峠を越えた。

 スズキDJEBEL250GPSバージョンを走らせ、その間では、足助の町の入口にある白鷺温泉を第1湯目に、全部で6湯の温泉に入った。

 

 まず最初に伊勢神峠の新道のトンネルを抜けた。次に旧道の峠のトンネルも走り抜ける。この旧道のトンネルを走るのは、ちょっと勇気がいる。なにしろ伊勢神峠といえば、中部圏屈指の幽霊スポットなのだ。

 

 足助では町中の食堂「川安」で「うな重」を食べたが、そこでは地元のタクシー運転手と隣同士になり、食事をしながら伊勢神峠にまつわる話を聞いた。

 

 その運転手の同僚が足助から若い女性を乗せ、稲武へと伊勢神峠を越えた。

 雨の激しく降る夜だったという。峠のトンネルを抜け出たところで何気なく後部座席を見ると、若い女性の姿はなく、シートがびっしょり濡れていたという。その運転手は気の毒なことに、ショックのあまりその後、1ヶ月も寝込んだという。

 

 そんな伊勢神峠を越え、稲武の道の駅「どんぐりの里」に隣り合った稲武温泉の「どんぐりの湯」に入り、国道沿いの夏焼温泉「青柳亭」に泊まった。

 

 湯から上がると、まずはビールだ。

 ゼンマイの煮物とハチノコをつまみに飲む冷えたビールはうまかった。そのあとで夕食を食べるのだった。

 

■伊勢神峠編で入った温泉■

1、白鷺温泉「白鷺館」(入浴料800円)巴川わきの一軒宿。歴史の古い白鷺伝説の湯

2、岩神の湯(入浴料530円)ガラス張の大浴場。4つの大露天風呂は水着着用

3、川怒温泉「長門荘」(入浴料500円)足助川を目の前にする露天風呂がいい

4、笹戸温泉「勇屋別館」(入浴料700円)矢作川沿いの温泉旅館。ここには8軒の宿

5、稲武温泉「どんぐりの湯」(入浴料600円)大浴場には石の湯船と檜風呂

6、夏焼温泉「青柳亭」アユの塩焼き、小アユのフライ、馬刺の夕食がよかった!