アフリカ縦断2013-2014(その18)
「ナイロビ→ケープタウン編」(18)
12月30日5時、起床。夜中に大雨に降られた。テントの中まで浸水し、大変だった。屋根の下までテントをズルズル引っ張って再度、寝なおしたのだが、シュラフはビショビショ。その雨も夜明けには上がった。トイレをすませ、たっぷりとシャワーを浴びた。お湯がふんだんに出るので助かった。
マヨパンの朝食を食べ、7時、「エウレカ・キャンピングパーク」を出発。
ルサカからはザンビアで一番の幹線道路を走り、ジンバブエ国境のリビングストンの町に向かっていく。さすがザンビアでも一、二の幹線道路だけあって交通量が多い。大型トラックやバスが100キロ以上の高速で疾走する。
「ルサカ→リビングストン」の道も、「チパタ→ルサカ」同様、1968年の「アフリカ縦断」で走ったのでなつかしい。
そのときの様子を紹介しよう。
ルサカからリビングストンに向かう途中では、ひと晩、マザブカの町で泊まった。このへんからリビングストンにいたる一帯は、この国でも最も豊かな地域で、町などもヨーロッパ的色彩の強い美しい町が多い。アンゴラのロビトからザイールのカタンガ州(現シャバ州)を通って、ローデシア(現ジンバブウェ)やモザンビーク、南アフリカに行く鉄道も通っており、沿線には大規模なトウモロコシ畑やタバコの農園が見られる。マザブカはそんな中の町だった。しかしザンビアの大きな問題の一つとして、この豊かな地域とそれ以外の地域との大きな格差があげられる。その格差は一朝一夕では埋めることができないように思われた。
翌朝、日の出前に出発したが、身を切られるような寒さ。途中、モンゼの町で焚火を見つけてあたらせてもらったが、なかなか火から離れることができなかった。この国もローデシアやマラウィと同じように国土の大半は1000メートル以上の高地で、高原を吹き抜ける風の冷たさといったらなかった。
リビングストンまでの道は全線が舗装されており、どの車も弾丸のように走り去っていく。昼頃、道端の草の上に座ってパンをかじっていると、1台の新しい車がリビングストンの方向に向かい、140キロか150キロぐらいのものすごいスピードであっというまに消え去った。飛ばすなあ~と思っていると、それから1時間後、ジンバの町を30キロほど過ぎた地点で、さきほどの乗用車が無残な姿で横転し、運転していた若いヨーロッパ人は血まみれになって毛布にくるまれていた。見ただけでは生きているのか、死んでしまったのかわからなかったが、通りがかりの車でリビングストンに運ばれていった。現場はゆるやかなカーブで、車は曲がりきれなかったようだ。このように、スピードを出し過ぎたためにハンドルを切りそこねてひっくり返ったり、道のわきに飛び出したりする事故を何度も見た。
午後の3時前にリビングストンに着き、タンザニアのビザを取るとルサカにとって返した。途中、カロモの町の教会で泊まった。ひと昔前まではヨーロッパ人入植者たちで賑わったであろうこの教会も、今では鬼気迫る廃墟だった」(1973年浪漫刊の『アフリカよ』より)
ルサカを出ると、ザンベジ川の支流のカフエ川を渡り、120キロほどでマザブカに到着。マザブカの町は1968年の「アフリカ縦断」で見た時とは違い、当時のきれいな町の面影はなかった。マザブカからのハイランドの豊かさも消えていた。
マザブカからモンゼを通り、チャマに到着。「マザブカ→チョマ間」は160キロ。町中の雑踏を走り抜け、郊外の街道沿いのレストランで昼食。「チキン&チップス」を食べた。そのあと30分の昼寝。チョマを過ぎるとカロモ、ジンバを通り、ルサカから500キロのリビングストンに到着。この町はイギリスの探検家デビッド・リビングストンにちなんで名づけられた。ザンビアでは英語名の地名がどんどん変えられたといったが、その中にあって、リビングストンだけは残された。ザンビア政府がリビングストンの業績を評価しているからだろう。
リビングストンの人口は10万人で、ザンビアでは3番目に大きな町になる。歴史の古い町でもある。1907年にノース・ウエスタン・ローデシアの首都になった。1911年、ノース・ウエスタン・ローデシアとノース・イースタン・ローデシアが合併し、ノースローデシア(北ローデシア)になったときも、リビングストンが首都だった。
リビングストンでは「ジョリーボーイズ・キャンプ」に泊まった。キャンプ場内のレストランで「ライス&ビーフシチュー」の夕食。そのあとレストランでザンビアのビール「MOSI」を飲んだ。
1850、「エウレカ・キャンピングパーク」を出発
1854、街道沿いの露店でバナナを食べる
1860、マザブカの町
1865、ザンビアの子供たち
1871、チョマの町
1872、昼食の「チキン&チップス」
1875、「ジョリーボーイズ・キャンプ」に到着
1881、夕食の「ライス&ビーフシチュウ」