「東海道53次・復路編」(15)箱根宿→平塚宿
箱根宿を出ると、大鳥居をくぐり元箱根へ。ここは箱根権現の門前町。箱根宿よりも歴史は古い。江戸幕府は当初、ここを箱根宿にするつもりでいたが、地元民の強い反対にあい、現在の地に箱根宿を置いたという。
東海道で小田原宿に下っていく前に、芦ノ湖畔の箱根神社を参拝する。
箱根神社はもともとは「箱根権現」といい、神仏混淆だった。それが明治維新の神仏分離で箱根神社になった。箱根権現は古くからの山岳信仰の霊場で、多くの山伏たちがこの地に住んでいた。
元箱根に戻ると国道1号から旧東海道に入っていく。そこには「箱根八里は馬でも越すが 越すに越されぬ大井川」の「箱根馬子唄」の碑。
権現坂を上り、二子山(1091m)南側のお玉ヶ池前を通り、猿滑坂、樫木坂、西海木坂と下っていくと寄木細工で知られる畑宿に着く。ここには当時、旅人たちが休む茶屋が何軒も建ち並んでいた。今でもその面影を残す家並みが旧東海道沿いにつづいている。
畑宿から須雲川沿いに湯本へと下っていく。戦国の風雲児、北条早雲の菩提寺、早雲寺前を通り、箱根湯本駅に近い三枚橋を渡って国道1号に合流。そのまま国道1号で小田原宿へ。小田原駅前でスズキ・アドレスV125Gを停めた。
小田原宿からは国道1号で大磯宿へ。ここでは相模の総社、六所神社に参拝したあと、高来神社から高麗山に登った。高麗山は東海道でも一番といっていい自然の宝庫。うっそうとした照葉樹などの樹林に覆われている。男坂で登り、30分ほどで山頂に到達。山頂も昼なお暗い樹林に囲まれている。下りは男坂よりもゆるやかな女坂を歩き、高来神社に戻った。
高麗山からは花水川を渡って平塚宿に入っていくが、花水川にかかる花水橋から眺める高麗山の風景はじつにいい。安藤広重の「東海道53次」でも平塚宿は高麗山をバックにし、花水川が流れている風景が描かれている。
箱根神社の鳥居
箱根神社の本殿
旧東海道の石畳
小田原宿の小田原駅
大磯宿の六所神社
高麗山の山頂
花水橋から見る高麗山
花水川河畔の「平成の一里塚」
平塚宿に入っていく