賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「ユーラシア大陸横断」、出発前日のメッセージ(2002年)

(『賀曽利隆ONLINE』より転載、2002年6月25日)

「道祖神」のバイクツアー、「カソリと走ろう!」シリーズの第7弾目、「ユーラシア大陸横断」に明日(※2002年6月26日)、出発します。

 東京から富山の伏木港へ。

 船でロシア・沿海州のザルビノ港に渡り、シベリアを横断し、ウラル山脈を越えてモスクワへ。そしてポーランドのワルシャワからドイツのベルリンへ。

 西ヨーロッパの国々を南下し、ピレネー山脈を越え、スペインからポルトガルに入り、ユーラシア大陸最西端のロカ岬を目指します。

 東京からロカ岬まで1万5000キロ、それを50日で走ります。

 さー、DR-Z400Sよ、頼むゾ!

 今回の「ユーラシア大陸横断」はぼくにとっては2度目のことになります。

 最初の「ユーラシア大陸横断」は1990年。

 50㏄バイクのスズキ・ハスラーTS50でアメリカのロサンゼルスを出発点にし、インドのカルカッタをゴールとし、2万5000キロの「世界一周」をおこないましたが、そのときはアメリカを横断し、ニューヨークからイギリスのロンドンに渡りました。

 ロンドンのトラファルガー広場前を出発したときは「ユーラシア大陸横断」を強く意識し、西ヨーロッパから東ヨーロッパ、南ヨーロッパ経由でトルコのイスタンブールまで行き、そこから西アジアの国々を通ってインドのカルカッタを目指したのです。

 ほんとうはそのまま、さらに日本に向かって走りたかったのですが、厚い国境の壁にはばまれ、カルカッタをゴールにするしかなかったのです。

 その悔しさをバネにし、1992年から翌93年にかけては、タイのバンコクを拠点に「インドシナ一周」を成しとげました。

 この「インドシナ一周」も「ユーラシア大陸横断」の1パートなのです。

 今回のシベリア経由での「ユーラシア大陸横断」を成功させたら、ぜひとも次は中央アジア経由での「ユーラシア大陸横断」に挑戦してみたいし、さらには究極の「ユーラシア大陸横断」にも挑戦してみたいと心底、願っています。

 この、究極の「ユーラシア大陸横断」というのは東京から下関まで行き、関釜フェリーで韓国の釜山に渡り、朝鮮半島を縦断します。38度線を越え、鴨緑江を渡って中国に入り、西へ、イギリスのロンドンを目指して走るというものです。

「ユーラシア大陸横断」というのは、このようにあとにつづくもの。

ぼくに限りない夢を与えてくれます。

2002年6月25日

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ということでこの2002年の「ユーラシア大陸横断」を『ツーリングGO!GO!』誌と『バックオフ』誌の掲載記事を元にお送りします。(2008年9月記す)