カソリの「旅本」ベスト10
1 「街道をゆく」(司馬遼太郎)
全43巻は読みでがあるが、1冊読むごとにおおいに旅心が刺激され、その土地に対する思いが深まる。世界編を含め、何よりもの旅の「ガイドブック」になる。司馬遼太郎、ほんとうはもっともっと、自由奔放に旅したかったのだろう。
2 「深夜特急」(沢木耕太郎)
単行本での全3巻を読んだあと、文庫本での全6巻をも読んだ。「深夜特急」はすでに古典の領域に入っている。古典というのは何度でも繰り返して読める。実際に旅していた頃の20代の沢木耕太郎の感性がまぶしいくらいに光り輝いている。
3 「たびを」(花村萬月)
芥川賞作家の花村萬月さんはバイク乗りでもある。若い頃は相当無茶して数々の貧乏ツーリングをしている。「たびを」にはそんな下敷きがある。この本は19歳の浪人生、虹児のスーパーカブでの「日本一周」を描いた1000ページを超える大作。ひと夏の物語を花村さんは10年がかりで書き上げた。この主人公、虹児の愛読書が「カソリ本」。虹児はそれを読んで旅に出る…。
4 「忘れられた日本人」(宮本常一)
日本屈指の民俗学者であり、生涯で4000日以上も旅した偉大なる旅人である宮本常一の代表作。バイクで走っていると、まったく目も留めないような所にくらいつき、それぞれの土地の古老から話を聞きだすすごさは宮本常一ならではのもの。この文庫本を持って、何度旅に出たことか。
5 「おくのほそ道」(松尾芭蕉)
何度、読んだことか。何度、読み返したことか。一番印象に残っているのは「サハラ砂漠縦断」のとき。一望千里の大砂漠で読んだ「おくのほそ道」、ギニア湾岸のヤシの木陰で読んだ「おくのほそ道」…。日本国内では芭蕉さんの足跡を何度もたどらせてもらっている。つまりは我が「飯の種」。芭蕉さん、ありがとう!
新版 おくのほそ道 現代語訳/曾良随行日記付き(角川ソフィア文庫)
6 「がむしゃら1500キロ」(浮谷東次郎)
7 「秋山記行」(鈴木牧之)
8 「日本奥地紀行」(イサベラ・バード)
9 「恐るべき空白」(アラン・ムーアヘッド)