賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

アフリカ縦断2013-2014(その16)

「ナイロビ→ケープタウン編」(16)

 12月27日5時起床。6時朝食。まずはキャンプ場内のマンゴーの木の枝に飛びつき、食べごろのマンゴーを取る。マンゴーを食べてからマヨパンの朝食だ。

 7時、ザンビア東部のチパタを出発。この町は独立前はフォートジェームソンという名前だったが、独立後、チパタになった。ザンビア中部にカブエという鉱山町があるが、ここも独立前はブロークンヒルという英語名だった。独立後、英語や仏語の地名が現地語名に変わったのはザンビアのみならず、アフリカの各国で見られることだ。

 ザンビアが独立したのは1964年10月24日。東京オリンピックの閉会式の日に独立した。「ザンビアは今日、この閉会式の日に独立しました!」というテレビのアナウンサーの声をぼくはまだ覚えている。その生まれたばかりのザンビアの国旗を持った選手たち(たしか4、5人だったと思う)が誇らしげに国立競技場を行進した。

 チパタから首都のルサカへ。一直線に伸びる2車線の舗装路。ルサカからマラウィの首都リロングウェに行く直通の「ザンビア・マラウィバス」とすれ違った。この道はモザンビーク国境のすぐ北側を通っている。チパタから90キロのカテテで分岐する道はモザンビーク国境を越え、ザンベジ河畔のテテに通じている。

 10時、チパタから180キロのペタウケの町に到着。ここで給油。

 11時30分、国道沿いに「THULA」というロッジを見つけ、ロッジ内のレストランで昼食にする。客は我々だけ。それでも相当、待たされた。その間はテレビでイギリスのプレミアリーグのサッカーの試合を見ていた。

 1時間近く待たされてやっと食事が出てきた。メニューにはチキンカレーや魚料理などがあったが、我々の一番人気は「Tボーンステーキ」。ライス付きとシーマ付きがあるが、「カソリ&石井」のシーマ大好きコンビはいつものようにシーマだ。

 昼食のあとは東屋の屋根の下にシートを広げて昼寝する。みなさんはすでに「アフリカ縦断」の旅にすっかり慣れ、すぐに寝られる。ここではたっぷりと時間を使い13時30分の出発だ。

 ニンバの町を通り過ぎ、15時30分、本日の目的地のカチョローラ村に到着。国道沿いにある「カチョローラ・キャンプ場」に泊まった。ここでもまずはマンゴー取り。竿を使ってキャンプ場内にあるマンゴーの木から実を落とし、全部で10個以上のマンゴーを食べた。歯で皮をむき、甘味満点の実にかぶりつく。食べ終わる頃には手も顔もベトベト状態。この一帯はマンゴーの収穫の季節で、国道沿いではマンゴーを山盛りにして売っていた。

 マンゴーに大満足してからテントを張ったのだが、張り終えた頃から雨が降りはじめる。東屋の屋根の下に逃げ込み、雨宿り。

 そこではキャンプ場のオーナーのジョージと話した。朴訥とした感じの人。ジョージの話で忘れられないのは「メイド・イン・チャイナ」だ。 ザンビアにはものすごい勢いで中国製品が入り込んでいる。しかし「メイド・イン・チャイナ」は衣類でも靴でも電器でも、何でもすぐにダメになるという。それに対して「メイド・イン・ジャパン」は丈夫で長持ちし、「フォーエバー(永遠)」だという。

 その後がいい。ジョージは「But, China is a good country.(だけど中国はいい国だ)」というのだ。ジョージの「But, China is a good country.」は大うけで、その後、我々の流行語になった。何かというと「But, China is a good country.」と、ジョージの口真似をするのだった。ジョージよ、我々をおおいに楽しませてくれてありがとう!

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朝食の光景。後ろにはマンゴーの木

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チパタの町への道に出る

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国道の脇で小休止

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ペタウケのガソリンスタンド

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首都ルサカへ。一直線の道がつづく

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昼食のTボーンステーキ

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カチョローラ・キャンプ場に到着

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カチョローラ・キャンプ場からの眺め