賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

アフリカ縦断2013-2014(その17)

「ナイロビ→ケープタウン編」(17)

 12月29日、朝食を食べ、7時にカチョローラ村を出発。一本道で首都ルサカに向かう。1968年の「アフリカ縦断」のときにも通ったなつかしの道だ。

 1968年のときは大変だった。その途中で渡るザンベジ川最大の支流、ルワングワ川の鉄橋が爆破されたとのことで、厳重な警備態勢が敷かれていた。行く先々でパスポートチェックを受けたり、荷物を徹底的に調べられた。

 あれから46年。

 まったく何事もなかったかのような穏やかな道をひた走る。

 カチョーラ村から1時間ほどでルワングワ川の鉄橋にさしかかる。鉄橋を渡りながら1968年の「アフリカ縦断」のシーンが思い出されてならなかった。

 あの時はルアングア川に近づくと、100台以上のタンクローリーやトラックが数珠つなぎになって停まっていた。タンクローリーが圧倒的に多かった。急崖を下って川岸まで降りると、爆破された鉄橋が見えた。現場では軍隊が仮橋をつくっている最中だった。

 幸いなことに、バイクの強みを最大限に発揮し、軍の小船にバイクごと乗せてもらい対岸に渡ることができたのだ。対岸にも数えきれないほどの大型トラックやタンクローリーが、いつになるかわからない開通を待っていた。

 このルートは内陸国ザンビアにとっては、今も昔も生命線。とくにガソリンなどの石油製品はモザンビークのベイラ港から鉄道でマラウィのサリマに送られ、そこから1000キロもの道のりを越えて首都ルサカまで送られていく。

 ルアングア川の鉄橋を渡りながら下を見ると、1艘のカヌーが茶色い川面を流れ下っていくのが見えた。目に残るシーンだった。

 首都のルサカに向かって走ると雨が降り始めた。雨具を着ての走行。「あー、またか」という重い気分だったが、ありがたいことに雨は1時間ほどで上がった。

 ルサカ近郊の町までやってきたところで昼食。食堂でシーマを食べる。シーマには魚と青菜が添えられている。

 カチョローラから300キロ走ってザンビアの首都ルサカに到着。ルサカの中心街を走り抜け、郊外にある「エウレカ・キャンピングパーク」に泊まった。

 ここは農場内のキャンプ場。金さんこと伊藤さんと、まるで自然公園のように広いキャンプ場内を歩いた。草原や森林もある。ここは野生動物の天国のようなところで、シマウマやガゼルの群、さらにはキリンを見た。我々はまるでナショナルパークにテントを張っているようなものだ。

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ルアングア川にかかる鉄橋

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ルアングア川の流れ

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ルアングア川のカヌー

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前方には雨雲…

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昼食のシーマ

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ルサカに到着

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キャンプ場のシマウマ

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キャンプ場での夕食