賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「南米・アンデス縦断」(49)

 1月4日、「ホテル・ベルグランド」の朝食を食べ、7時前にはペリトモレノの町を出発。この日の目的地、カラファテまでは700キロ以上あるので、いつもよりも早めの出発になった。

 この日はペルーの首都リマを出発してから34日目だが、何とも辛い1日になってしまった。すでに南緯50度の世界に近づいているので、バイクで切る風は冷たい。

 ダートの国道40号を南下し、バジョカラコレスの町に向かっているときのことだ。女性ライダーのあすかさんと男性ライダーの藤田さんが相次いで転倒し、2人とも足を骨折したようだ。ペリトモレノからやってきた救急車に2人は乗せられ、大西洋岸の町、コモドロリバダビアの病院に向かった。救急車にはガイドの日系2世のヤマグチさんが同乗した。

 胸にポッカリと穴のあいたような気分を味わう。

 あすかさんとは2005年の「韓国往復縦断」を一緒に走った。藤田さんとは2003年の「南部アフリカ」と2004年~2005年の「サハラ砂漠縦断」を一緒に走った。そんな旅のシーンが次々によみがえってくる。今回は南緯55度の世界最南の町、ウシュアイアを目指そうとリマから7500キロ余を走ってここまでやってきたが、無念のリタイヤとなってしまった。2人にとってはさぞかし悔しいことだったであろう。

 あすかさんと藤田さんの2人のメンバーを失ったが、我々の「南米・アンデス縦断」の旅はまだまだつづく。

 ペリトモレノから126キロのバジョカラコレスに着くと、レストランで昼食のスパゲティーを食べ、13時に出発。グレゴレス、トレスラゴスを通ってカラファテに到着したのは24時。ホテルが用意しておいてくれたサンドイッチを食べてから眠りにつくのだった。

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パタゴニアの風景

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昼食のスパゲティー

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ダートの国道40号を行く

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アンデス山麓のカルディエル湖

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アルゼンチナ湖から流れ出るサンタクルス