賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「南米・アンデス縦断」(51)

 1月4日。「ホテル・ポスタル」の朝食を食べ、8時、カラファテを出発。国道40号(ルートクワレンタ)に戻ると、はてしなく延びるダート国道を南下。高速ダートで100キロ超で走る。あいかわらず強い風が吹いている。交通量はほとんどない。エスペランサの町で給油すると、そこで国道40号と分かれ、チリ国境に向かった。

 アンデス山麓のリゾート地、バリローチェからずっと走ってきた国道40号は、エスペランサからは南東方向に走り、大西洋岸のリオガジェゴスで国道3号に合流する。

 バリローチェから北の国道40号といえば、アンデス山麓を北上し、ボリビア国境に通じている。そこでボリビアの国道1号に接続し、銀山で栄えたポトシから首都のラパスに通じている。我々がボリビア国内で走ったアンデス高地のルートだ。

 このようにアルゼンチンの国道40号というのは、南緯22度のボリビア国境から南緯52度のリオガジェゴスまで、全長5000キロ余の途轍もなく長いアンデスの縦断国道になっている。

 エスペランサを出たところでピクニックランチ。強風に吹かれながら草原に座り込み、チーズやウインナー、レタスをはさんだサンドイッチを食べた。

 14時、チリ国境に到着。カラファテから300キロ。国境通過に1時間ほどかかり、16時、チリに入国した。アルゼンチンとチリには1時間の時差があるのでアルゼンチン時間では15時になる。

 国境からほどなくプエルト・ナタレスとパイネ国立公園を結ぶ道にぶつかり、世界的な観光地のパイネ国立公園に入っていく。アルゼンチンとの国境の南側に広がるパイネ国立公園は大阪府ぐらいの広さがある。国境を越えた北側はアルゼンチンのロス・グラシアス国立公園。今朝、出発したカラファテがその玄関口だ。

 パイネ国立公園の最高峰、パイネ・グランデ山(3050m)を目の前にする「ホステリア・ラス・トーレス」に泊まった。カラファテから363キロ。夕食は韓国製の激辛インスタントラーメン。石井君の炊いてくれたご飯その中に入れると、じつにうまい一品になった。そのあとは斎藤さん差し入れのチリワインを児玉さんや竹口さん、小林さん、良輔君らと一緒に飲んだ。

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カラファテの「ホテル・ポスタル」の朝食

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国道40号を南下

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エスペランサのガソリンスタンド

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エスペランサの町

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アルゼンチンからチリに入る

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アマルガ湖越しに見るパイネの山々

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「ホステリア・ラス・トーレス」に到着