賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「広州→上海2200キロ」(11)

 12月4日8時、「銀昌国際飯店」を出発して「大長江」に行く。社長室に通され、石岩社長と対談。吉林出身の石岩社長は、ぼくの2004年の「旧満州走破行」(当サイトの連載参照)で吉林を通ったことを喜んでくれ、

「私もカソリさんのように、バイクで中国のあちこちを駆けめぐってみたいですよ」

 と言ってくれた。

 何とも気さくな、暖かみのある石岩社長だ。

 対談のあとは石岩社長の案内で本社工場、第1工場、さらには第2工場と見てまわる。昼になったところで石岩社長は本社に戻ったが、いつまでも心に残る人。

「中国人はけっこうロマンを追い求める生き方が好きなんですよ」

 と、そんな石岩社長の言葉が強く印象に残った。

 第2工場の貴賓室で昼食をいただき、本社に戻ると、いよいよ出発だ。

「目指せ、上海!」

 相棒のスズキの125ccスクーター、アドレスV125Gのエンジンを始動させ、そして走り出す。まずは江門から広州へ。

 江門から佛山と切れ目なく市街地がつづき、それがさらに広州へとつづいている。

 中国ではバイクでの大都市乗り入れが禁止されているので、大回りをして国道324号に出た。この国道は福建省の福州から広州を経由し、雲南省昆明に至る全長2600キロもの国道だ。

 ここでスズキのMさん、カメラマンのKさん、女性ライターのTさんと別れた。皆さんは広州の国際空港に向かい、日本に帰るのだ。

 ぼくはといえば、何か一人、取り残されたような寂しさを味わったが、中国人スタッフの宋さん、運転手の楊さん、通訳の二村さんの乗る中国製GMの後についてアドレスV125Gを走らせる。その夜は、広州郊外の夢崗にある「紅橋賓館」で泊まった。夕食はホテルに隣合ったレストラン。そこで芋粉の麺の餃子(水餃子)、それと鍋を食べながら「青島ビール」を何本も空けた。

(江門→夢崗 180キロ)

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「大長江」の本社前を出発

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広州の国道324号でスズキのMさんらと別れる

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夢崗のレストランで夕食

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芋粉の麺

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水餃子

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鍋料理

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二村さん(左)、宋さん(右奥)、揚さんとの夕食