賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

アフリカ縦断2013-2014(その31)

「ナイロビ→ケープタウン編」(31)

 1月12日、国境のオレンジ川にかかる橋を渡ってナミビアから南アフリカに入った。いよいよ「アフリカ縦断」最後の国だ。南アフリカの入国手続きは簡単に済み、ゴールのケープタウンを目指し、N7(国道7号)を南下していく。

 国道沿いのレストランで昼食。この店の主人はポルトガル人で、我々が日本人だとわかると、「よく来てくれた!」といって歓迎してくれた。すかさず「ボンディア」(こんにちは)とポルトガル語で挨拶をした。ポルトガル人には親日的な人が多い。

 昼食のフィッシュ&チップスを食べ、ポルトガル人の店の主人に別れを告げ、さらにN7を南下する。ケープタウンに通じるN7は高速道路のような高規格道路になり、インターチェンジを通しての出入りになる。

 国境から120キロのスプリングボックで降り、町中のガソリンスタンドで給油したあと、郊外の「スプリングボックキャラバンパーク」に泊まった。

 テントを張り終えると焚火を開始。道祖神の吉岡さんが、日本から持ってきたサプライズの餅を出してくれた。さっそく焼いて食べる。1人2個の餅を食べたのだが、醤油につけて食べる餅のうまさといったらなかった。今回の「アフリカ縦断」最高のご馳走だ。

「おー、これぞ日本の味!」の声が出る。

 餅を食べながら「すしを食べたい」、「ラーメンを食べたい」、「あったかいご飯に納豆をかけて食べたい」などなど、「日本食談義」で我々はおおいに盛り上がった。

 翌日は6時、朝食。7時、出発。N7をひたすら南下する。交通量は少ないので快適走行。道路の工事個所がちょっと辛い。日本のように短い区間ではなく、長い区間での工事。その間は片側通行で、タイミングが悪いと長時間、待たされることになる。

 ガリエス、ビッターフォンテインと通り、バンリーンスドルプの町で昼食。カルテックスのガソリンスタンドのレストランでハンバーグを食べた。

 このガソリンスタンドの一角にはミニショップに隣り合ってベンツの販売店があった。店内には新車が無造作に並べられている。日本でいえば地方の小さな町のガソリンスタンドにベンツの販売店があるようなもの。それはアフリカでは一番の経済大国、南アフリカを見せつけるような光景だった。

 さらにN7を南下し、15時、シトルスダルの町に到着。ここまで来れば、ゴールのケープタウンまではあとわずか。150キロほどでしかない。だがここでN7を離れ、アフリカ大陸最南端のアグラス岬に向かう。

 ゆるやかなアップダウンのつづく丘陵地帯に入っていく。一気に緑が増え、豊かな農業地帯に変わる。ケープタウンからヨハネスバーグに通じるN1(国道1号)に出ると、ウースターの町へ。町の郊外にある「ニッキーズ リゾート&キャンプサイト」に到着。ここが「アフリカ縦断」最後のキャンプ地だ。

 高台にあるキャンプ場。ウースリーの光の海のような町明かりを眼下に見下ろした。東の空には十三夜の月が明るく輝いていた。ウースリーの町明かりを眺めながらのパン&ビーフシチューの夕食。そのあとはカンビールを飲み、ワインを飲んだ。名残りおしい最後のキャンプだった。

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ポルトガル人のレストランで昼食

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N7(国道7号)を南下

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南アフリカのガソリンスタンド

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N7(国道7号)の道標

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N1(国道1号)に出る

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最後のキャンプ…