賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

アフリカ縦断2013-2014(その13)

「ナイロビ→ケープタウン編」(13)

 12月24日5時、夜明けとともに起き、マラウィ湖畔を歩く。やがてマラウィ湖の東側に連なる山の端から朝日が昇る。7時、パンとスクランブルエッグの朝食。8時、「チティンバ・キャンプ場」を出発。マラウィ湖畔の道を南下する。行けども行けどもマラウィ湖が見えている。

 やがてマラウィ湖畔を離れ、山中を縫って走り、マラウィ中部の中心地ムズズには10時に到着した。町中を走り、あともう少しでムズズの町を抜け出ようかというところで、スピード違反で捕まった。ここでもタンザニア同様、スピードガンで計測していた。5000クワチャ(約1250円)の罰金はその場で払った。

 ムズズを過ぎると突如、激しい雨が降り出した。雨具を着るのが遅れ、ずぶ濡れになってしまった。そんな雨も1時間ほどでやんだ。

 ムズズからマラウィ湖に下ったところがンカタベイ。驚いたことに港には1000トン以上はありそうな船が停泊していた。マラウィ湖の湖畔に造船所があるとも思えないので、「いったい、どこから運び入れたのだろう」と不思議だった。

 ンカタベイでは連泊だ。けっこう期待したンカタベイなのだが…。

 湖畔のチカレビーチにある「ンジャヤ・ロッジ」のキャンプ場に泊まった。ここまでのキャンプ場はどこもまったく申し分なかったが、ここは最悪。水が出ない。おまけにクリスマスイブなので、夜になるとビーチの舞台では大音量の生演奏が始まった。それに合わせて大勢の人たちが踊りまくっている。真夜中を過ぎても大音量の生演奏はつづき、眠れたものではない。仕方なく3時過ぎに湖畔のパーティー会場まで行き、明け方までつづいた生演奏を見ていた。

 次の日は一日、ンカタベイの町を歩いた。木陰を見つけるとしばしの昼寝。海岸の露天市は賑やかだ。魚売り場にはマラウィ湖で獲れた魚が並んでいる。

 その夜もビーチでの大音量の生演奏が始まった。2夜連続で一睡もできないのはあまりにも辛い。そこで近くのトーマスの家に逃げ込んで中庭にテントを張らせてもらった。じつはトーマスの奥さんのアリスにお金を払って、バイクのウエアなどを洗濯してもらったのだ。テントを張り終えると、トーマスは夕食ができたので、一緒に食べようという。星空の下、ランプの灯りでの食事。シーマと肉汁を手づかみで食べるのだが、トーマスはぼくの方にそっと肉を多く入れてくれた。忘れられないトーマス夫妻。

 トーマスの家の中庭は「ンジャロ・ロッジ」のキャンプ場よりも、はるかによかった。

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1601、マラウィを南下する

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1608、マラウィ湖の船

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1609、マラウィ湖の渡し船

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1627、ンカタベイの露天市

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1629、露天市に並ぶマラウィ湖の魚

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1676、マラウィ湖で湖水浴をする人たち

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1680、トーマスの家の中庭にテントを張る

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1685、トーマスの家の夕食