賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「南米・アンデス縦断」(39)

 12月25日。夜明けのラ・セレナの町を歩く。コピアポと同じように、ここでも朝は濃い霧に覆われている。これも寒流のフンボルト海流の影響か。

「セレナ」はスペイン語で「静か」の意味で、ラ・セレナは名前通りの静かな落ち着いた町。緑も多い。このラ・セレナあたりが、乾燥した北部チリと湿潤で温暖な中部チリの境で、ここより北は不毛の砂漠地帯、南は肥沃な農業地帯になる。

 ラ・セレナの町を1時間ほど歩いて「ラ・セルナプラザホテル」に戻ると朝食。ジュースとヨーグルト、コーンフレーク、パン、ハム、チーズ、ケーキの朝食を食べる。

 9時に出発。ラ・セレナから国道5号は高速道路になる。クリスマスでガラガラの高速道路を快適に走る。南に下るにつれて霧は晴れた。

 高速道路のサービスエリアで昼食。ライスを添えたハンバーグを食べる。午後になるときれいな青空が広がった。

 チリ第一のリゾート地、ビーニャ・デル・マルに近づいたところで首都サンチャゴに通じる国道5号を離れ、海沿いの道を行く。ザパリャル、キンテロ、コンコンと通り、17時、今日の目的地のビーニャ・デル・マルに到着。ラ・セレナから422キロだ。

「ホテル・キャンタマール」に入ると、さっそくビーニャ・デル・マルを歩く。さすがチリ第一のリゾート地だけあって、海岸通りを大勢の人たちが歩いている。砂浜にも家族連れなどの姿を多く見たが、ここでも海に入っている人はほとんどいなかった。

 町の中心はベルガラ広場。この町の創設者のベルガラ像が建っている。高級ホテルの「ホテル・オイギンス」も広場に面して建っている。中心街のピザ専門店でピザを食べ、クリスマスのイルミネーションで輝く夜の町を歩き、我々のホテルの「ホテル・キャンタマール」に戻った。ここまで来れば、首都のサンチャゴまではあともう一息だ。

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「ラ・セルナプラザホテル」の朝食

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ビーニャ・デル・マルの海岸通り

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夕食のピザ