「南米・アンデス縦断」(20)
クスコの中心、アルマス広場に近い「KINTARO」食堂で昼食を食べると、午後は市場を歩いた。
果物市場ではパパイアやバナナ、ブドウ、マンゴー、リンゴ、オレンジ、イチゴなどが売られていた。
ジャガイモ売り場が壮観だ。さすが原産地、何種類ものジャガイモが山積みになって売られている。初めてみる紫色のジャガイモもあった。「凍みジャガイモ」のチューニョも売られていた。
トウモロコシやトウモロコシの粉、豆類、米、雑穀キノア、トウガラシなど、毎日の食生活にかかせない売り場は混み合っていた。
肉売り場ではオバチャンが大ナタを振るい、豚肉を骨ごとたたき割っていた。やることが豪快だ。
市場には露天の食堂もあった。常連客がほとんどのようで、みなさん、自前の食器で食べている。ちょっとのぞかせてもらうと、ジャガイモと豆、豚肉の入った汁をライスにかけたもの。それとチューニョ入りのスープだ。
市場の片すみでは、少女がアンデスの地酒チチャを素焼きの壺に入れて売っていた。 チチャはトウモロコシを発芽させ、乾燥させたものが原料になっている。それを石臼で挽いて粉にし、鍋でドロドロになるまで煮込み、カメに入れて数日間、発酵させたもの。1杯もらって飲んでみたが、アルコール度はビールよりも弱く、若干の酸味があった。イチゴジュースを薄くしたような色で、清涼飲料水のようでもあった。
市場歩きを終えると、クスコ駅に行く。ガラーンとしたホームにはプーノ行きの列車が停車していた。
こうしてクスコ歩きを終えるとアルマス広場に戻り、「KINTARO」食堂で夕食にした。日本風海鮮丼の「インカ丼」。丼飯の上にマスの切り身をのせ、醤油をかけ、わさびをきかせて食べるのだ。
クスコの市場を歩く
ジャガイモの売り場
色とりどりのトウモロコシ
豆類の売り場
アンデスの雑穀キノアも売られている
プーノ行きの列車
クスコの「インカ丼」