賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「南米・アンデス縦断」(15)

 マチュピチュ遺跡を歩いた翌日は、メンバー各自の自由行動。何人かの人たちは「もう1日かけてまわりたい!」といってマチュピチュ遺跡に戻っていった。

 ぼくはといえば、「ウルバンバ川沿いに行けるところまで行きたい!」ということで、やはり何人かの人たちと一緒に冒険的な気分で列車に乗り込んだ。

 クスコからの列車はアグアカリエンテが終点ではなく、さらにサンタテレサまでつづいている。

 アグアカリエンテ発7時45分の列車に乗り込んだ。

 この先、どういう世界が開けてくるのだろうと思うと胸がワクワクしてくる。

 列車は定刻通りにアグアカリエンテ駅を発車。観光客の世界のマチュピチュとは違って、サンタテレサ行きの車内に外国人観光客の姿はまったくない。

 列車はウルバンバ川に沿って走り、8時30分、終点のサンタテレサ駅に着いた。

 サンタテレサからは乗合タクシーでサンタマリアへ。その間はダートの山道。ウルバンバ川の深い谷を見下ろす断崖絶壁の狭路を行く。途中、大規模な山崩れの現場にさしかかったが、乗合タクシーは崩れた岩の上をガタンピシャンいわせて走り、その崩落現場をからくも突破した。

 サンタテレサから1時間半かかってサンタマリアの町に到着。そこで乗合タクシーを乗り換え、キリャバンバまで行く。

 キリャバンバに到着したのは11時。想像したよりも、はるかに大きな町で驚いた。町の標高1085メートとかなり低くなるので、気温が一気に上がり、ムッとするような暑さだ。

 道はここで尽きる。

 ウルバンバ川はこの先でアプリマック川と合流し、ウカヤリ川となってプカルパ、イキトスを過ぎ、アマゾン川となってペルー、コロンビア、ブラジルの3国国境から大西洋へと流れていく。

 キリャバンバの町では目抜き通りを歩き、町の市場を歩いた。そして食堂で昼食にする。スープと骨つき肉、それとライス、サラダで1人5ソル。日本円で200円ほどだ。

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「インカイン」の朝食

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ウルバンバ川の谷を見下ろす

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ウルバンバ川の断崖絶壁の道を行く

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キリャバンバの町の中心

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キリャバンバの市場

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昼食のスープ

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昼食の骨つき肉