「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(63)
7月18日6時、八戸駅前の「東横イン」を出発。天気は快晴。抜けるような青空が広がっている。
駅近くのマックで朝食を食べ、スズキの650ccバイク、V-ストロームを走らせ、国道45号で八戸道終点の八戸北ICへ。ここで東北道→八戸道と高速道を一直線に走ってきたカメラマンの巣山さんと落ち合った。
「いい天気で。よかったですねえ」
これが巣山さんの第一声。2013年版の『ツーリングマップル東北』の表紙写真や小冊子のモロモロの写真を撮ってくれる巣山さんにとっては、快晴の青空は何よりもうれしいことなのだ。
巣山さんと八戸北IC前の駐車場で『ツーリングマップル』を見ながらプランニングをしていると、1台のオフロードバイクがやってきた。ホンダのXR250Rに乗った馬渡さん。10何年ぶりの再会だ。
馬渡さんはキャンプ仲間。何度か一緒にキャンプツーリングをしたことがある。そんな馬渡さんが首都圏から故郷の八戸に戻ったのは10年以上も前のことだ。
「今日はどうしてもカソリさんに会いたかったんですよ!」
といって、出勤前に八戸北ICまで来てくれた。
馬渡さんとひとしきり思い出を話し、握手して別れ、下北半島突端の尻屋崎を目指して出発。八戸北ICからは国道45号→国道338号で下北半島に入っていく。
三沢を過ぎ、尻屋崎まであと100キロの地点を通過。3・11(東日本大震災)の1年後にV-ストロームで走った「鵜ノ子岬→尻屋崎」では、この地点で猛吹雪のために撤退。東北の自然の厳しさをいやというほど思い知らされた。それだけに「尻屋崎まであと100キロ」の地点を通過したときはグググッと胸に迫ってくるものがあった。
ラムサール条約登録地の仏沼や小川原湖から流れ出る高瀬川を見たあと、六ヶ所村から東通村に入っていく。物見崎が村境。岬の突端には灯台が立っている。そこから南側は連続する断崖の風景、北側は活況を見せる白糠漁港と、岬をはさんでの南と北ではガラリと風景が変わる。
国道338号から尻屋崎へ県道248号を走る。下北半島特産のヒバ林の中を行く。V-ストロームを走らせながら、ほのかに漂うヒバの香をかぐ。これがバイク旅の良さというもの。五感を鋭くさせてバイクを走らせながら、その土地特有の匂いをかぐことができるのだ。
最後は県道6号で津軽海峡沿いに走る。対岸の北海道がはっきりと見えている。そして岩屋を通り、下北半島北東端の尻屋崎に到着。ゲートを過ぎると「寒立馬」のお出迎え。尻屋崎は東北太平洋岸最北の地でもある。
これで3・11で敗退した「鵜ノ子岬→尻屋崎」のリベンジを果たしたことになる。尻屋埼灯台の前にV-ストロームを停めるとカソリ、
「やったー!」
と、雄叫びを上げてガッツポーズ。尻屋崎の海と空の抜けるような青さが目に残った。
八戸の「マクドナルド」で朝食
八戸から国道45号を行く
八戸道の八戸北IC
物見崎の白糠漁港
「やったー!」。尻屋崎に到着!