賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(36)

「松島センチュリーホテル」に戻ると朝食。ボリューム満点の朝食を食べ終ると、スズキ二輪のMさんとホテルを出る。

 8時30分、「スズキきずなキャリーキャラバン」のみなさんの乗った車がホテルにやってきた。さー、出発だ。

 V-ストロームでMさんの乗った車や「スズキきずなキャリーキャラバン」の車の後について走る。

 今日の目的地は石巻仮設住宅万石浦から県道234号を行ったところにある「石巻バイパス仮設住宅」に到着だ。ここには236戸の仮設住宅があるとのことで、石巻市や女川町の被災者が住んでいる。

 バイクやスクーターはみなさんにとっての重要な足。スズキはそれらを無料で点検している。まさに東北の復興支援、復興応援事業なのだ。

 カソリは何をするかというと、ここから大阪モーターサイクルショー会場のスズキ・ブースに携帯で電話し、MCの原智美さんに現地の様子、「スズキきずなキャリーキャラバン」の活動の様子などを午前中に1回、午後2回、話すのだ。

 すごくよかったのはここではいろいろな話を聞けたこと。

 女川の尾浦の漁師の話は興味深かった。

 銀ザケ、ホタテ、カキ、ホヤの養殖が尾浦の漁業を支える4本柱だったが、大津波ですべてが全滅。とくに出荷直前の銀ザケの被害が大きく、莫大な借金だけが残ったという。

 女川の尾浦の漁師の奥さんは怖くて海が見られない、松島の遊覧船も怖くて乗れない、瓦礫の山を見ると気持ちが暗くなってしまう、この1年は毎日のように泣いていた…といった話をしてくれた。

 そのほか日本中から来てくれたボランティアの人たちに助けられた、家が流されたとたんに親戚の人たちがすーっと離れていった、1日も早く以前のような家に住みたい、以前のような暮らしに戻りたい…といったみなさんの声も聞いた。

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「松島センチュリーホテル」の朝食

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「松島センチュリーホテル」を出発

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「スズキきずなキャリーキャラバン」

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石巻バイパス仮設住宅

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石巻バイパス仮設住宅」の掲示

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昼食の「トンカツ弁当」