賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(33)

 大船渡を出発し、国道45号を南へ。

 通岡峠を越えて陸前高田市に入り、高田の被災地を走り抜けていく。大津波に直撃されて全壊した道の駅「高田松原」が、再びオープンする日を願うばかりだ。

 それにしてもすごいのは、国道をはさんで道の駅と反対側のセルフのガソリンスタンド「おかもと」が、営業を再開したことだ。さぞかしその道のりは、大変なことの連続であっただろう。

 3月3日のオープンだという。そこには「がんばろう! 陸前高田」と大きく書かれている。「がんばれ、陸前高田のおかもと!」

 宮城県に入ると、唐桑半島突端の御崎まで行ってみる。

 御崎には御崎神社が祭られ、そこから先は遊歩道になっている。タブやツバキなどの照葉樹林がうっそうとおい茂り、岬突端への小道は昼でも暗い。黒潮の影響で、このあたりまで暖地性の照葉樹林が延びている。小道のわきには苔むした鯨塚。この一帯ではかつては、供養塔を立てるほど鯨を捕っていた。

 御崎の突端には黒色粘板岩の岩場が幅30メートル、長さ100メートルにわたって海に突き出ている。「八艘曳」と呼ばれる岩場で、御崎神社の祭神が8艘の船を従えてこの岩に上陸したという。まさに「御崎」なのである。

 国道45号に戻ると、バイパスで気仙沼を素通りし、南三陸町に入っていく。ここでは往路で入れなかった志津川のバス・ラーメン店「蔵八ラーメン亭」に寄り、「広東麺&餃子」(1150円)を食べた。ちょっとした旅行気分で食べることができた。

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陸前高田の国道45号を行く

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陸前高田の国道45号沿いのホテル

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御崎の御崎神社

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御崎突端の岩場

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志津川の国道45号

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志津川の「蔵八ラーメン亭」