「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(32)
山田からは国道45号を南下する。
大槌では仮店舗の「復興食堂」でV-ストロームを止めた。復興丼の「おらが丼」を食べたかったのだが、残念ながら「準備中」。
釜石に到着したのは16時。少し早かったが「釜石で泊まろう!」と、釜石駅前まで行き、駅周辺の営業しているホテルや旅館を聞いてまわった。ところがどこも満員。そこで大船渡まで行くことにした。
18時、大船渡に到着。
すると、まるでそれに合わせたかのように、不気味なサイレンが町中に鳴り響いた。津波注意報が発令されたという。広報車が町中を走りまわっていたが、幸い津波は押し寄せてこなかったようでホッとした。
大船渡でも宿探しが大変だ。
「つつみ旅館」、「大船渡プラザホテル」、「ホテル丸森」…と営業している旅館やホテルを片っ端から当ったが、釜石と同じようにどこも満員。大震災から残った旅館やホテルの数は少なく、日本中からやってきた復興事業関連の長期滞在者でどこも満杯状態なのだ。宿がとれず、内陸の遠野とか一関、北上、花巻に宿をとって大船渡まで通う人たちも多くいるという。
すごくラッキーだったのは地元の人に富山温泉を教えてもらったことだ。
富山温泉というのは大船渡の近郊にある一軒宿の温泉。日帰り湯がメインだが、何人かは泊まれるという。ダメモトで行ってみると、うまい具合に泊まれた。
さっそく湯に入り、湯から上がったところで部屋で夕食。カンビールを飲みながら、スーパーの握りずしを食べた。
「いやー、助かった!」
ここは素泊まりで3000円。湯は十分によかった。
「富山温泉」というのは、温泉を掘り当てた富山さんの名前から取ったものだという。
翌朝は「富山温泉」の朝湯に入り、7時30分、出発。出がけに社長の富山さんから、「よく来てくれた!」
といってヤクルトを5本もらった。宿泊費が3000円だというのに…。このあたりにも東北人の心の暖かさを感じるのだった。
富山温泉に近い国道45号沿いの「ローソン」で朝食。「幕の内弁当」を食べたあと、富山温泉の社長にもらったヤクルトを飲んだ。
ありがとう、富山さん!
大槌の「復興食堂」
大船渡の盛駅前に到着
スーパーの握りずし
ローソンの幕の内弁当
富山温泉でもらったヤクルト