「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(23)
綾里からさらに県道9号を走り越喜来(おっきらい)へ。
越喜来湾の一番奥に位置する越喜来も、今回の「平成三陸大津波」では大きな被害を受けた。リアス式海岸の三陸海岸はこのようにいくつもの湾が連続するが、湾の一番奥にある町々はどこも壊滅的な状態だ。
越喜来で国道45号に合流し、羅生峠を越え、吉浜湾の吉浜へ。ここまでが大船渡市になる。
吉浜では吉浜川の河口に行った。堤防は大津波にやられ、かなり破壊されている。それにもかかわらず吉浜の集落にはほとんど被害が出ていない。その理由は綾里と同じで、昭和三陸大津波のあと、集落は高台に移転したからだ。
そんな吉浜の海岸から「津波石」が見つかった。昭和三陸大津波の記録の彫り刻まれた「津波石」が、今回の大津波で土砂が取り除かれ、地表に姿を現したのだ。
吉浜からは鍬台峠を越え、釜石市に入る。
国道45号の峠はすべて長いトンネルで貫かれているが、峠を越えると海が変る。
鍬台峠を越えると唐丹湾になる。
唐丹湾岸の小白浜の海岸は巨大防潮堤がなぎ倒された現場。破壊された巨大防潮堤を見ると大津波のすさまじさを実感するが、その反面、半分はきれいに残っているので工事に手抜きはなかったのか…という思いにとらわれた。
越喜来の町跡
吉浜の「津波石」
小白浜の家並み
小白浜の残った巨大防潮堤
小白浜の破壊された巨大防潮堤
2011年6月12日の小白浜