賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(1)

東日本大震災」1年後の東北太平洋岸を走ろうと、2012年3月10日10時、東京・落合の山手通りに面した「スズキワールド新宿」を出発した。

 バイクはスズキのニューモデル、V-ストローム650ABS。全車、ABSのブレーキシステムを装着している。

 山手通りから首都高に入り、三郷料金所から常磐道を一路、北へ。

 V-ストロームの高速性能は抜群の良さ。アクセルを軽くひねるだけでキュィーーーンという心地よいエンジン音とともに一気に加速する。

 V-ストロームはロングツーリングにはピッタリなバイクだ。

 ポジションのとり方が楽なので自然体で乗れるし、20リッターという大型のタンク容量なので500キロ近く走れるし、2灯式のライトは明るいし、リアにほとんど段差がないので荷物も楽々積める。

 ということで今回は宿がとれないときのために、キャンピング用具一式の入ったツーリングバッグをリアにくくりつけている。

 ところでその3ヵ月前、2012年の正月はニュージーランドで迎えた。

 ニュージーランド南島の中心、クライストチャーチを拠点にレンタルバイクで2200キロ走ったのだが、これが縁というものなのだろう、バイクはV-ストロームだった。

 ニュージーランド南島ツーリングの拠点となったクライストチャーチは、「東日本大震災」の1ヵ月前、2011年2月22日にM6・1の直下型地震に見舞われ、町の中心街は壊滅的な被害を受けた。

 ニュージーランド南島ツーリングでは大地震の10ヵ月後に行ったのだが、中心街の広範なエリアには非常線が張られたままで、立入禁止になっていた。そんな町の姿を目の底に焼きつけて日本に帰ってきたのだった。

 常磐道では一気に東北に入るのではなく、関東側最後の北茨城ICで高速を降り、大津漁港へ。こうして「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」が始まった。

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スズキの650ccバイク、V-ストローム

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V-ストロームのフロント

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V-ストロームのエンジン

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常磐道の三郷料金所を出発

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ニュージーランド南島クライストチャーチ地震の爪痕

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クライストチャーチの中心街は立入禁止