賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

台湾往復縦断2011(45)

 標高3275メートルの台湾の国道最高所峠、国道14号の武嶺(ウーリン)を出発。台鈴の125ccスクーター、TEKKENを走らせ、峠道を下っていく。

 中央山脈の3000メートル級の山々を眺めながらの走行はたまらない。極上の山岳ツーリング。国道14号はよく整備されたルートなので走りやすい。

 峠道を下ったところが合歓山。標高3158メートルの山頂が国道のすぐ脇に見えている。頂上までは簡単に登れそう。ここには「合歓山荘」がある。

 それにしてもすごいではないか。国道14号は3000メートル峰の山頂のすぐ脇を通っている。日本でいえば日本第2の高峰、北岳(3189m)の山頂近くを125ccのスクーターで走り抜けていくようなものだ。

 合歓山を中心とした合歓連峰は台湾の山岳リゾート地といっていい。「合歓山荘」を拠点にして合歓主峰(3416m)や合歓北峰(3422m)、合歓東峰(3421m)といった3000メートル級の山々に登れる。この一帯は雪が降るので、冬は雪山登山になる。台湾にもこういう世界がある。北回帰線のわずかに北、亜熱帯の世界に!

 合歓山からの展望を目に焼きつけ、下っていくと東西横断公路の国道8号に出る。

 T字路の交差点を左に折れ、梨山に向かったが、右に行けば太魯閣(タロコ)の大峡谷を抜けて太平洋岸の花蓮に出る。思わず「台湾一周2010」で走った太魯閣の大峡谷が目に浮かんでくるのだった。

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合歓山(3158m)のすぐ脇を通っていく

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合歓山周辺の山並み。武嶺(3275m)が見えている

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3000メートル級の山々が連なる中央山脈を一望

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東西横断公路(国道8号)とのT字路に出る