賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

台湾往復縦断2011(44)

 国道14号の太魯閣国家公園(ナショナルパーク)の展望台を出発。台鈴の125ccスクーター、TEKKEN(鉄拳)のアクセルを開き、山岳道路をさらに登っていく。

 驚かされてしまうのはTEKKENのエンジンのパワフルさだ。

 125ccにもかかわらず、3000メートルを超える高地をまったく問題にすることなく走りつづける。高度障害を受けることもなく、パワーダウンすることもなく、エンジンがブスブスいうこともない。すごいぞ、TEKKEN!

 高度を上げるにつれ、TEKKENで切る風はぐっと冷たさを増す。

 そしてついに武嶺(ウーリン)に到達。「嶺」は「峠」を意味するので、日本風にいえば「武峠」になる。

 武嶺の標高は3275メートル。台湾の国道の峠としては最高所になる。

 日本の国道では国道292号の群馬・長野県境の渋峠が最高所の峠。標高2172メートル。武嶺はそれよりも1000メートル以上も高い(なお日本の自動車道の峠としては標高2360メートルの川上牧丘林道の大弛峠が最高所峠になっている)。

 日本では1600余峠を越え、チベットでは5000メートル級の11峠を越え、南米アンデスでは4000メートル級の23峠を越えた「峠のカソリ」、台湾の国道最高所の峠、武嶺に立ってもう嬉しくてしかたない。

「やったね~!」

 と叫んでやった。

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峠まであともう一息!

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ズラズラッと並んだ中央山脈の3000メートル峰

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台湾の国道最高所峠、武嶺に到達!

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標高3275メートルの武嶺

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武嶺駐車場の岩山