賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

台湾往復縦断2011(39)

 国道21号で陳有蘭渓の谷間を抜け、水里の町に到着。ここから台湾有数の観光地の日月潭へ。周囲35キロの日月潭は台湾最大の湖だ。

 2月に完成したという新しいビジターセンターでTEKKEN(鉄拳)を停め、ティールームで「日月潭紅茶」を飲んだ。

 完成してまもないので、このビジターセンターにはまだ中国人観光客は押し寄せていなかった。しかし対岸の丘の上に完成したばかりの高層ホテルは、中国人観光客専用に造られたものだという。台鈴の李さんにいわせると、ここ日月潭も中国人観光客には大人気なのだという。

 日月潭は湖に浮かぶ「拉魯(ラル)島」を境に東側が「日」、西側が「月」の形に似ているのでその名がある。

「ラル」は先住民サオ族の言葉で、「祖先の霊が眠る場所」の意味だという。

 日月潭とその周辺の山々はサオ族の生活の舞台で、梟(フクロウ)がサオ族にとって吉祥のシンボルになっているという。

 このあたりは日本のアイヌ文化とすごく似ている。

 日月潭紅茶を飲みながら、

「銀の滴降る降るまわりに 金の滴降る降るまわりに」

 で始まる『アイヌ神謡集』(知里幸恵編訳)の「梟の神の自ら歌った謡」を思い出す。

 アイヌにとって梟は神なのだ。

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日月潭の駐車場に並ぶスクーター

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完成してまもない日月潭のビジターセンター

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これが日月潭の全景

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売店で売られている台湾の「百家姓」

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ビジターセンターから見る日月潭