台湾往復縦断2011(38)
「塔塔加遊憩区」からは国道21号を北へ。濃霧の中にそそり立つ2本の楠、「夫婦樹」は目に残る。
名無しの峠を越えると断崖絶壁の狭路を下っていく。すごい道。右手はまさに「千尋の谷」で、垂直に何百メートルも落ちている。
断崖絶壁の狭路から2車線の幅広の道に出たときは、
「おー、助かった!」
と、TEKKEN(鉄拳)に乗りながら、思わず声が出た。
台湾の中央山脈は日本の中部山岳よりも、もっと地形が険しい。
谷間をさらに下っていくと、2008年の台風で大きな被害を出した神木村に入っていく。土砂崩れの爪痕が残り、大雨に流された小学校が国道脇に見られた。
陳有蘭渓の河原には流されてきた大岩がゴロゴロしている。台湾の川は「渓」と書かれるが、まさに「渓」そのもので台湾山脈から流れ出ると、滝のような勢いで流れ落ち、東の太平洋、西の台湾海峡へと流れ出ていく。
このような地形なので、いったん大型台風が上陸し、大雨に見舞われると、各地で大きな被害を出す。
日本のテレビ、とくにNHKなどは日本に接近、もしくは上陸した台風の時はこれでもか、これでもかというくらいに台風情報を流すが、進路が南にずれ、台湾に上陸した台風などはほとんど無視する。同じ台風なのに…。そんな日本から外れた台風で、台湾が大きな被害を受けていることをここでは知った。
「塔塔加遊憩区」からは国道21号を北上
国道21号沿いの「夫婦樹」
「夫婦樹」で出会った父娘
断崖絶壁の狭路を行く
大規模な土砂崩れの現場
氾濫して大きな被害を出した陳有蘭渓
大雨で流された小学校
2008年の台風の爪痕がいまだに残る神木村